2015 Fiscal Year Research-status Report
ビュフォン『博物誌』における人類学的思考の意義――ド・ブロスとの比較検討を基点に
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15K02398
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大橋 完太郎 神戸大学, その他の研究科, 准教授 (40459285)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 自然誌 / 博物学 / 植物学 / 王立庭園 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の27年度の成果として、国際学会において発表を1件おこない、国内向けの学会誌に論考一編を掲載することができた。 フランスのリヨン高等師範学校でおこなわれた発表においては、17世紀以降の王立庭園で行われた自然誌(=博物学)研究が、同時代の啓蒙思想に受容されたのみならず、王立アカデミーでも認められていたことを検証し、ビュフォンに至る博物学的研究が当時のフランスの知識社会に対してもつ学説的な影響関係を明らかにすることができた。 学会誌に提出した論考では、17世紀後半からビュフォンが着任するまでの王立庭園の歴史を詳細に検討し、当時の自然誌的な研究において化学と植物学が大きな役割を果たし、学問的プレゼンスを高めていった経緯を明らかにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
10月に所属機関の異動があったため、予定していたフランス・ブルゴーニュ地方での資料調査がおこなえず、実証的資料の入手と検討が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策としては、初年度に進行が遅れたブルゴーニュ地方におけるビュフォンとド・ブロスに関する実証的資料の入手をおこなうことが第一の課題である。夏期、あるいは冬期の期間を利用して、資料の探索に時間を費やしたい。それ以外に関してはおおむね順調に進行しているので、計画通りに研究を進めたく思う。
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Causes of Carryover |
所属期間を異動したため、夏期に予定していたフランスでの研究調査が次年度以降に延期となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
フランス、ブルゴーニュ地方の資料館、およびディジョンのブルゴーニュ大学における資料収集。
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Research Products
(3 results)