2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15K02433
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
閻 小妹 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 教授 (70213585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 正夫 松山大学, 経済学部, 准教授 (10633274)
氏岡 真士 信州大学, 学術研究院人文科学系, 教授 (60303484)
佐立 治人 関西大学, 法学部, 教授 (70340643)
伊藤 加奈子 信州大学, 学術研究院人文科学系, 准教授 (80293489)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 『杜騙新書』訳注 / 『杜騙新書』和刻本 / 『杜騙新書』と南方熊楠 / 中国明代詐欺防止白書 / 江戸時代の中国書の受容 |
Outline of Annual Research Achievements |
明代末期に出版された『杜騙新書』について、中国文学を軸としつつ、日本文学・中国語学・東洋法制史・経済史など多角的見地から、共同研究を行い、『杜騙新書』各種テキストの調査を国内外で行い、書誌学的事項を把握しました。原文の校勘をすすめ、重要な部分を訳注を作成し、さらに専門を異にする視点から考察を行った。そして『杜騙新書』訳注稿二編2018年3月21日発行しました。 『杜騙新書』訳注稿二編は、中国明代の短編小説集『杜騙新書』全四巻のうち前半に収める作品を中心として、訳注と原文・訓読をまとめたものである。ただし江戸時代の和刻本に見える計17話については、『「杜騙新書」訳注稿初編』(『杜騙新書』の基礎的研究プロジェクト、2015年)に既収のため、存目にとどめた。『杜騙新書』訳注稿二編は、閻の監修のもと、底本(明刊本)の配列順に奇数話は氏岡が、偶数話は佐立が草稿を作成し、さらに伊藤・井上とともに五名で検討を重ねた。また江戸時代の写本5種を参照し、そこに見られる書き込みも可能な限り収録した。最後に論考①「『杜騙新書』と南方熊楠」閻小妹・氏岡真士、②「『杜騙新書』の明刊本について」氏岡真士・閻小妹、③「あぶくの告発」佐立治人三編収録した。 『杜騙新書』が中国文学は勿論、人文科学系の諸方面に資する愈かな内容をもつことを明らかにし、また、今回制作発行した『杜騙新書』訳注稿二編という情報の共有化を図る為に研究機関や公立図書館に寄贈した。
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Research Products
(10 results)