徳山毛利家棲息堂所蔵漢籍の書誌学的研究と分類目録の作成

2015 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 15K02439
• Research Institution: Yamaguchi University
• Principal Investigator: 根ヶ山 徹 山口大学, 人文学部, 教授 (20218267)
• Project Period (FY): 2015-04-01 – 2019-03-31
• Keywords: 徳山毛利家 / 毛利元次 / 漢籍

Outline of Annual Research Achievements

平成２７年度に行った作業は、以下のとおりである。
１．先ずは徳山毛利家棲息堂旧蔵漢籍につき、採録すべき書誌項目を策定し、その結果を反映したエクセルファイルを作成した。採録すべき書誌項目とは、四部分類・書名・巻数・撰者・鈔刻・分類番号・旧蔵者（印記等）・備考・データ採録者の９項目である。各項目については、状況に応じて適宜補正を行うこととした。
２．１．に並行して徳山毛利家棲息堂旧蔵漢籍の書誌調査を行った。宮内庁書陵部、本学総合図書館に架蔵される徳山毛利家棲息堂文庫に含まれる漢籍の詳細については、十分な調査がなされているとは言い難い。そこで、１．で策定された９項目を中心に、特に宮内庁書陵部蔵本について順次書誌調査を行った。書陵部蔵本の調査については様々な要因により非常な時間を要するため、緒に就いたばかりである。
３．１．２．とは別途、メタデータの入力作業を行った。既存の目録である『和漢図書分類目録』（宮内庁書陵部、１９５１）から徳山毛利家寄贈の漢籍を抽出し、また『山口大学附属図書館所蔵棲息堂文庫目録』（山口大学附属図書館、１９８６）から漢籍を抽出し、１．で策定された書誌項目にあてはめつつ、エクセルファイルに入力した。２．で新たに採録された書誌データについても、既存の目録の内容に加筆訂正を加えながら、順次エクセルファイルに入力した。なお、目録の備わっていない周南市立中央図書館・周南市美術博物館所蔵の漢籍については未調査である。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

蔵書量が極めて厖大であること、更に研究協力者の確保が困難であったことから、『和漢図書分類目録』（宮内庁書陵部、１９５１）からのメタデータ入力作業は着手したばかりである。次年度以降、順次調査を行い、データの作成に着手したい。

Strategy for Future Research Activity

平成２９年度までにメタデータの入力作業を完了させ、エクセルファイル上で四部分類に従って配列し、『徳山毛利家棲息堂旧藏漢籍分類目録』（仮称）の礎稿を作成する。更に、作成した礎稿を入稿し、校正刷りの状態で、原典との再照合を数度にわたって行い、『徳山毛利家棲息堂旧藏漢籍分類目録』（仮称）を完成させる。

Causes of Carryover

研究協力者の確保が困難を極め、当初予定していた謝金を消化することができなかったため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

宮内庁書陵部及び周南市中央図書館・周南市美術博物館における調査費用に充当する。