2015 Fiscal Year Research-status Report
スペイン・エスコリアル修道院図書館に残る中国古典文献の学術的価値に関する研究
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15K02444
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| Research Institution | Kansai University |
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Principal Investigator |
井上 泰山 関西大学, 文学部, 教授 (40139473)
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2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | エスコリアル宮殿図書館所蔵漢籍 / 福建省建安 / 電子データ公開 / 書誌情報公開 / 16世紀中国刊行文献 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主要な目的は，16世紀以来スペインのエスコリアル宮殿図書館に所蔵されている中国古典文献（文学文献・歴史書・日用類書などを含む）のうち、重要なもの7種を電子データによって一般に広く公開することである。公開を予定している文献の具体的な書名は以下の通りである｡
（1）少微先生高明大字資治通鑑節要（2）徐氏家伝捷法鍼灸（3）三国志通俗演義史伝
（4）A 新刊耀目冠場擢奇風月錦嚢正雑兩科全集 B 新刊摘彙奇妙戯式全家錦嚢
（5）摘匯奇妙全家錦嚢続編（6）新刊補訂源流総亀對類大全（7）新編暦法通書大全
研究初年度の平成27年は上記の目的を達成するための環境整備を行うことに主眼を置き，研究室のパソコンをデータ公開に耐えられるだけの容量を持った最新のものに取り替えるとともに，本学のアジア文化研究センターに配備されている機材を利用して公開予定の文献をデータ化することに努めた｡その結果、当初目標としていた文献のうち４点の加工を完了し，現在、公開に向けて最終的な点検を行っているところである｡データの点検にあたっては、大学院博士課程に在籍している複数の学生の支援を仰いでいる｡また、文献のデータ化と併行して，文献の書誌に関する研究にも取り組み、年度内に得られた成果を国内の学術雑誌である『東方學』第131輯に「スペイン・エスコリアル修道院図書館所蔵漢籍について～先人の調査報告に対する補足と残された課題～」と題して掲載した（平成28年1月刊行）｡
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究年度開始早々、データ公開のための機材の導入に取り組み、周辺環境の整備をスムーズに行うことができた｡また，過去数年間にわたって本学のアジア文化研究センターの一員として研究活動を行い、あらかじめ研究開始に関する了解を得ていたため，機材の活用についても想定通り進行させることができた｡さらに、データ加工と入力に関して，博士課程に在籍する優秀な学生の支援を得ることができ，当初予定していた速度で初年度の作業を完了することができた。文献の書誌情報の公開についても、アジア全域を包括する全国的な学術誌に記事を掲載することができ，公開に先立つ準備状況としては至極良好な段階を保っていると考えている｡
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| Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、研究２年目にあたる平成28年度は，公開予定の文献のうち未入力のもの3種のデータ加工に努め，細部の点検を行った後，研究者自身のホームページで公開テストを行い，本学のアジア文化研究センターとも連動させて，両方からのアクセスが可能となるように最終チェックを行う予定である｡また，それと併行して，国内外の学会で引き続き当該文献の紹介に努め，最終年度の書誌情報の公開に向けて準備を整える予定である。現在のところ、研究の遂行に関する大きなトラブルは発生していないため，当初予定した成果を収めることができるものと判断している｡
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| Causes of Carryover |
文献のデータ入力にあたって想定していた必要時間を短縮することができたため，謝金として使用する予定の金額に剰余金が生じた｡
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
残る3種の文献の入力のための謝金に充当する予定である｡データ入力が順調に進行した場合，関連文献の収集と整理のための費用に充当する｡
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