2016 Fiscal Year Research-status Report
Malayo-Sumbawan言語における定性標示と文構造との関係に関わる研究
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15K02472
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
塩原 朝子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (30313274)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 情報構造 / 定性 / マレー語 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はマレー語とジャワ語の調査を継続した。昨年から進めていた標準インドネシアの他、口語インドネシア語ジャカルタ方言、マナド・マレー(北スラウェシマナドで話されているマレー語の変種)について研究を行った。標準インドネシア語については、アメリカからKroeger博士を招聘し、マレー語一般の定性表示に関する意見交換を行った。また、今後、数量的研究にコーパスデータを使用することを見越してウェブコーパスの専門家の講演を企画するとともに研究打ち合わせを行なった。 マナド・マレーについては指示詞に由来するtuという形式と、3人称単数所有形であるdepeという形式に着目し、その使い分けを精査した。そのため、研究協力者が現地調査を行いデータを収集した。研究協力者とは8月にインドネシアで研究打ち合わせを行なった。データ分析の結果、tuは指示詞から発展し、genericとしての用法やや関係代名詞における用法など、より決定詞に近い性質を獲得しつつあることがわかった。また、depeは3人称単数の認証標示としての機能を残しつつ、話者と聞き手双方が共有する、より広い談話の主題を示す機能を担いつつあることがわかった。 また、新しくスンバワ語の調査を開始した。スンバワ語の定性表示に関して、これまで収集したデータを用いて分析を行うとともに、現地調査において新しいデータも収集した。 成果公開に関しては、標準インドネシア語とマレー語に関して、これまでの成果に関連する内容を国際マレーシア・インドネシア語学会で発表するとともに、標準インドネシア語に関する成果に関連する内容を学術論文として公刊した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していたマレー語・ジャワ語の調査を進め、その成果の一部を国際学会発表の形で公表するとともに、学術論文の形で公刊し。マレー語の変種の一つであるマナド・マレーに関しても研究協力者の調査データを共に分析することにより、期待どおりの成果がでつつある。予定していたスンバワ語の調査も行い、その成果も順調に分析をすすめている。このまま進展すれば課題終了時には課題の目的が達成されることが十分に期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度から進めているマナド・マレー、スンバワ語の研究を進めるとともに、ササク語・チャム語、スンダ語の調査を行う。ササク語に関しては現地調査を行い、チャム語、スンダ語に関しては文献調査と日本在住の話者からの聞き取り調査を行う予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] Possession and Reference in Manado Malay2016
Author(s)
Anthony Jukes and Asako Shiohara
Organizer
The Twentieth International Symposium On Malay/Indonesian Linguistics (ISMIL 20)
Place of Presentation
University of Melbourne, Melbourne, Australia
Year and Date
2016-06-14 – 2016-06-16
Int'l Joint Research
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