2015 Fiscal Year Research-status Report
文法性判断のずれ及びぶれの発生メカニズムの解明および解消方法(発展)
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15K02486
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
森田 久司 愛知県立大学, 外国語学部, 准教授 (30381742)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | wh-question / pied-piping / intervention effect / coordination / indeterminate / contrastive focus / conjunction / disjunction |
Outline of Annual Research Achievements |
本プロジェクト1年目であるが、先のプロジェクトの発展ということで、初年度から口頭発表などで成果を発表した。前プロジェクトで得られた知見をもとに、日本語のWH疑問文は潜在的な移動を伴っていることを示すことが主な目的である。このことに関しては、韓国語やドイツ語での研究が盛んに行われていたが、日本語の分析から新たな知見が得られ、アメリカの学会とうで発表を行った。 また、日本語WH疑問文における潜在的移動は、大規模な移動もあり、数量詞疑問文の場合は、節全体が移動することもあることをシンハラ語と比較しながら明らかにするのが研究目的のひとつであるが、それに関しては一通りの実績を示せたと思う。 上記の研究に加えて、日本語のWH句に「か」や「も」を付けると存在数量詞や普遍数量詞になりうる。また、「か」は文末に置くと、疑問を尋ねる助詞にもなるが、これらの意味的側面について、ヨーロッパで研究発表をし、好評をえた。このことをきっかけに新たな発見が生まれそうである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究成果をアメリカの韓国語の学会(シカゴ大学)で1回、オーストリアの学会(グラーツ大学、ウィーン大学)で2回、韓国で1回、国内(日本言語学会、FAJL)で2回、計6回行い、いずれの発表でも高い評価を得られたため。特に、intervention effectsという現象について、もともと日本研究者が発見したものであるが、その後、韓国語またはドイツ語での研究が中心になり、忸怩たる思いをしていたが、日本語で得られた知見を韓国語の学会(また、先のプロジェクトではドイツでの学会)で発表し、韓国の雑誌にも投稿することができたことはとても大きな進展と思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に関しては8月から3月にかけて長期学外研究に行く予定。具体的に8月から12月はアメリカのMITで、残りをノルウェーのトロムソ大学に滞在して、研究を進める予定で、教育負担が多少軽減されるので、研究が一層すすむことを期待している。 研究の具体的な内容として、オーストリアのウィーン大学および三重大学で発表した内容が深まりを示しているので、それを続けていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が7,810円生じたが、前倒し交付(10万円)を受けた上での発生であり、実質は不足である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
海外の学会に2回ほど行きたいが、8月より学外研究(アメリカ及びノルウェー)を行うので、現地での学会や研究会について、主に使用する予定。
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