2016 Fiscal Year Research-status Report
19世紀~20世紀における漢訳新約聖書の聖書語彙に関する訳語の通時的比較研究
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15K02512
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
永井 崇弘 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(総合グローバル), 准教授 (80313724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩山 正純 愛知大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (10329592)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 漢訳聖書 / 訳語対照表 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、平成27年度において作成を行った漢訳聖書における訳語の一覧表フォーマット(見出し語および該当する章節)に各漢訳聖書の訳語を入力する作業を行った。研究代表者の永井が南京官話訳、北京官話訳、官話和合訳、グリフィス浅文理訳、シェレシェウスキー浅文理訳の訳語入力を行い、研究分担者の塩山がバセ訳、モリソン訳、文理代表訳、ブリッジマン訳の訳語入力を行うこととし、現在もこの入力作業を継続中である。 当初は各聖書から直接見出し語を探し出し入力する方法を採っていたが、進捗状況から効率性が期待できるものについては、電子化した全文テキストを作成することとし、北京官話訳、官話和合訳、バセ訳、モリソン訳については、既に全文テキストの電子化が完成している。これらについては、この電子化テキストを用いて訳語の入力作業を行っている。 また、訳語の直接入力作業および一部漢訳聖書の全文テキスト電子化の過程において、訳語について新たな知見を得たり、解明すべき事項が明らかとなった。これについて、口頭発表および論文作成によって、その成果の一部を公表することができた。(学術論文:永井崇弘2017.「モリソンの漢訳新約聖書本文における異同箇所について」,『福井大学教育・人文社会系部門紀要』第1号:1-17頁。、口頭発表:塩山正純2017.「漢訳聖書にみる「時間」の翻訳」:平成28年度東西学術研究所言語接触研究班第16回研究例会「資料から見る東西の言語交渉」(関西大学)。)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.入力頁数が永井担当分のみでもA4で2,400頁、塩山担当分を合わせると5,000頁程度と大幅に増加したため。 2.訳語の入力にさいし、聖書内容を踏まえた適切な入力分量を考慮する必要が生じ、また各聖書によって当該接の不一致があるため、入力に当初の想定を超える時間を要しているため。 3.入力作業にかかる適格な補助入力者の確保が難しかったため。 4.当初計画の直接入力から、作業の効率化が期待できるものについては、入力作業を中断し、全文テキストの電子化を行ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
適格な入力補助者を多数確保しつつ、入力作業の効率化を図る。また、複数の訳本を同時進行で入力していたが、優先すべき訳本から1種類づつ確実に入力を終了していくこととする。進捗状況によっては本研究に必要不可欠な訳本(文理訳と官話訳)に絞り、当初の研究目標に準ずる成果としてまとめることも検討する。さらに、進捗状況によっては計画を変更し、1年延長することも検討する。 また、入力作業に伴って得た知見については、口頭発表および論文作成によって、随時公表を行う。口頭発表については、永井、塩山がそれぞれ29年度5月に行われる国際学会「東アジア文化交渉学会」(北京外国語大学)において本研究の成果の一部を発表する予定である(パネルセッション「近代西洋宣教師と漢訳」)
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Causes of Carryover |
本年度は適格な入力補助者の確保が難しく、またデータ入力作業が遅延しているため謝金の支出が当初予定より大幅に減少した。しかし、本研究で行う全体内容には変化がなく、次年度には当初より多くの謝金が必要となる見込みである。そのための謝金を確保する必要が生じている。また、予定より膨大な分量となる訳語対照表を印刷、製本するための費用も確保しておく必要が生じている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度では、留保した金額を主にデータ入力補助者の謝金および訳語対照表の印刷、製本の費用として、次年度配分額とあわせて使用する。
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