2016 Fiscal Year Research-status Report
モリソン『神天聖書』を中心とした漢訳聖書の系譜とその文体論的研究
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15K02542
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
内田 慶市 関西大学, 外国語学部, 教授 (60115293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朱 鳳 京都ノートルダム女子大学, 人間文化学部, 教授 (00388068)
塩山 正純 愛知大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (10329592)
奥村 佳代子 関西大学, 外国語学部, 教授 (10368194)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 漢訳聖書 / 古新聖経 / 拝客問答 / マテオ・リッチ / ロバート・モリソン |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の主要な研究成果としては、「漢譯聖經研究的新的局面-以『古新聖經』為主-」(『關西大學中國文學會紀要』, 第37号,1-13p,2016.3)と「有關《拜客問答》的若干問題及其他」(『東アジア文化交渉研究』第10号、2017,3,31,87-100p)がある。 「漢譯聖經研究的新的局面-以『古新聖經』為主-」では、『古新聖経』満漢版という漢訳聖書の新しい資料の発見と今後の課題について述べたが、特にその満漢版と漢字版との対照による満文の中国語への影響について論じた。結果としては、蒙文直訳体ほどの影響は見られないことを指摘したが、こうした研究はこれまでの漢訳聖書の研究ではほとんど触れられていないものである。「有關《拜客問答》的若干問題及其他」も同様に筆者によって新しく発見されたバチカンでの資料を基にしており、その各版本間の異同やローマ字表記の問題、更には、カトリック宣教師であるマテオリッチとその関係者の手によると考えられる本資料が、実はモリソンなどのプロテスタント宣教師にも影響を与えたことを中心に論述したものである。 なお、以上の論文の他、国際シンポジウムでの基調講演や研究発表や研究機関での口頭発表も行い、広く学術交流を進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者は着実に研究業績を挙げている。例えば、2016年度に於いては、著書2冊、論文3編の他、基調講演、口頭発表等も約10回行っている。同時に、研究分担者とも、常時,緊密な連携を保ち、国際シンポジウムや研究会にもほぼ全員が参加しており、研究は計画通り順調に進行していると言うことができる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでと同様に各自の研究分担に応じて、論文、国際シンポジウムや研究会の口頭発表などで確実に成果を発表していく。 最終年度には、研究成果のまとめとして、論文集を出版することを企画している。
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Causes of Carryover |
当初計画していた出張が日程の関係で取りやめになったこと、また予定していた使用を次年度に回すことになったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究関係の書籍の購入および旅費に充てる予定である。
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Research Products
(5 results)