2018 Fiscal Year Research-status Report
近代日本語のテンス・アスペクト・モダリティ体系の変遷に関する統語論的研究
Project/Area Number |
15K02575
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Research Institution | Jissen Women's University |
Principal Investigator |
福嶋 健伸 実践女子大学, 文学部, 教授 (20372930)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 丁寧語 / 候ふ / テンス・アスペクト / モダリティ・ムード / 言語類型 / ムード優位言語 / ~ム・~ムズ / ~ウ・~ウズ(ル) |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、「近代日本語のテンス・アスペクト・モダリティ体系の変遷に関する統語論的研究」であり、前研究課題の「近代日本語のテンス・アスペク ト・モダリティ体系の変遷に関する言語類型論的研究」を発展的に引き継ぐものである。本年度の主要な研究実績を以下に述べる。
主要実績 第18回大会日本語文法学会シンポジウム「日本語文法研究と教育との接点」(日時:2017年12月2日、場所:筑波大学筑波キャンパス)で、「新しい学説はどのように古典文法教育に貢献するのか―~ム・~ムズの違和感をテンス・アスペクト・モダリティ体系の変遷から説明する―」というタイトルで発表したものに手を加えたものが、日本語文法学会学会誌『日本語文法』18巻2号(2018年9月30日)発行の特集論文に掲載された。この論文では、近代日本語のテンス・アスペクト・モダリティ体系の変遷が、言語類型の変化(ムード優位言語としての特徴を失うという変化)と関係していること、及び、丁寧語の統語的分布の変化(現代日本語とは異なり、中世前期日本語では、丁寧語が文中にあって文末にはないパターンがある)も、これらの変化に関係する可能性があること等を指摘している。重要なことは、日本語文法学会の学会誌に掲載されているということであり、これは、本研究課題の成果が、学界(学会)の水準をクリアしていること、加えて、学界(学会)の水準をクリアしていることを、学界(学会)が認めているということを意味している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究成果を、全国レベルの学会(日本語文法学会)の学会誌に掲載できたことは、大きな成果である。 加えて、本課題の研究成果が、国語教育に応用できることも明らかになった。これも、当初の計画にはなかった嬉しい誤算である。しかし、当初の計画以上に研究が進展してしまったため、予定年度内では本研究課題を終了することができず、「本研究課題の成果の教育現場への応用」ということで、2019年度も期間を延長して研究を行うことにした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、本研究課題の成果が、国語教育に具体的に応用できることを、全国規模の国語教育系の学会で示したいと思う。なお、すでに、第136回全国大学国語教育学会(日時:2019年6月1日、場所:茨城大学 水戸キャンパス)において、「古典文法の授業はなぜ苦痛なのか―古典文法書の「む」「むず」の調査から原因療法を探る―」というタイトルで、本研究課題の成果を発表することが決定している。発表での質疑応答などを踏まえて、論文化を進めたい。
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Causes of Carryover |
既に、補助事業期間延長承認申請書に書いた通りであるが、当初計画通りに研究を進めていたところ、本研究の成果は、当初予想してよりもはるかに大きく、「国語教育(主に、高等学校の古典文法教育)」に貢献することが判明した。既に、その内容の一部は、日本語文法学会第18回大会シンポジウム『日本語文法研究と教育との接点』等で発表しているが、期間を延長し、主に教育への貢献という側面から、補助事業の目的をより精緻に達成するための研究の実施を行いたい。
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