2015 Fiscal Year Research-status Report
現代日本語における漢字の字体・字形の実態とその背景に関する調査研究
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15K02579
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
笹原 宏之 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (80269505)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 漢字 / 字体 / 字形 / 手書き / 楷書体 / 活字体 / 常用漢字 |
Outline of Annual Research Achievements |
漢字の「字体」「字形」に関する使用実態とその背景や、それらの使用による種々の効果などを明らかにするために、当該研究を開始した。所定の計画に従って、まず、それらに関する先行研究を収集、整理し、その上で、学界においても一般においても混乱しがちであった用語とその概念規定について、明確化を行った。 それと併行して、大量の文字を使用し続けるマスメディアとして、発行部数や読者層などの条件に基づき新聞全国紙を調査対象に据えて、その1年分の紙面(広告欄も含む)に現れる漢字に関し字体・字形の使用状況を、読み取り方式によって調査した。併せて、字体・字形に対する表記規則が明確に設けられていながらも、実際の紙面に生じる例外措置に関しても観察と検討を加えた。 他の雑誌、テレビなどのマスメディアに出現する字幕やフリップ・ボードなどのほか、近年一般での接触頻度が急激に高まってきたインターネット、メールなどのパーソナルメディアにおいて使用される漢字の字体・字形の実例、そして各層において手書きされている文字の実例に関しても、その特性に着目しつつ実態調査を行った。 そうした各種の調査を実施しつつ、それぞれの情報媒体において使用される漢字の字体・字形の特徴の共通点と相違点とに対して具体的な確認を行い、それらにおける使用実態に関する記述と分析に着手した。 その成果の一部については、公表、公刊も開始した。また、これらの調査研究の成果は、常用漢字の手書き文字の字体・字形に関する国語政策の策定にも理念の面、個別具体の面において寄与する点が少なからず発生した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画を順調に進展させていることによる。
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Strategy for Future Research Activity |
順調に進展しているため、当初の計画に沿って推進していく。
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