2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K02588
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
福田 薫 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (50261368)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 文法化 / 擬似部分構造 / コーパス調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
現代英語における文法化現象に関して、学会での研究発表を1件、当該学会機関誌に学術論文を1編掲載した。現代英語において、N1 of N2という表面連鎖の名詞句が部分構造から擬似部分構造へと文法化する現象が観察されるが、動物の群れを表すherd, flock, swarm, school, prideを含む用例を分析すると、擬似部分構造への文法化の進展の度合いが項目間で段階的に異なることを、コーパス調査と統計的データ解析を通して、実証した。さらに、観察される段階的順序を引き起こす要因を検討した結果、当該構造における対象項目の使用頻度や本来的意味の特殊な豊かさはそれほど説得的な要因とは言えない。その一方で、当該項目の否定的意味合いが強いほど、否定的な意味合いの語を引き寄せる力が強く発揮され、その結果として、共起語の種類の拡大と本来意味の希薄化を招き、擬似部分構造へと文法化する要因となりうることを論じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度は座長をしている特別プロジェクトの最終年に当たり、作業量が増えた。また、学内での委員会業務(英語力向上プロジェクトのワーキングチーム委員)を新たに引き受けざるを得なかった。昨年度設置された新学科の専攻長業務もあり、学内での管理に関わる業務に時間を取られた。このため、残念ながら、予定していたよりも研究作業が進捗していない。
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Strategy for Future Research Activity |
申請時に予定していた4件の研究テーマのうち、whetherとifの交替条件については、コーパス調査を終えているが、データの分析を終えていない。if節が生じる位置を補部と付加部に条件分けし、異なる要因がwhether-ifの交替を条件づけているとの作業仮説を立てて、研究を進めていく予定である。 現代英語における[u:]の短母音化の進行については、音声データの収集を終えていない。ただし、WEB上で利用できる英語辞書に附属の音声データを収集し、試験的に解析したところ、母音継続時間が後続子音の音節構造に影響される、いわゆる「補償」効果が確認できている。同時に、後続子音の音声特性による影響も観察されている。母語話者の音声データ収集および音声コーパスからのデータ収集と分析を鋭意進めていきたい。 残りの2テーマについては、主に来年度に取り組むこととしたい。
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Causes of Carryover |
海外発注により購入した物品の決済処理が予算執行期限間際だったため、生じた少額の執行残については、本年度よりも来年度において計画的に執行するのが合理的と判断したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
図書文献の購入に充てる予定である。
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Research Products
(6 results)