2017 Fiscal Year Annual Research Report
Metapragmatic Approach to Language and Mind
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15K02598
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
沖田 知子 大阪大学, 言語文化研究科(言語文化専攻), 招へい研究員 (50127205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 知子 龍谷大学, 社会学部, 教授 (90209255)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ことば学 / 語用論 / 文体論 / 情報デザイン / 謎解き / 推論 / 談話 / メタ語用論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究「情報デザインのことば学」は、英語における情報デザインに焦点を当て、誤誘導、誘導、織り込み、盛り込み、読み込みなどトリックのレトリックのみならず、伝達を効果的に行うためのレトリックの解明を試みたものである。ことばと心を繋ぐ推論の働きを重視する「ことば学」の観点を取り入れ、英語の情報デザインに関する文体論研究の新たな可能性としてのメタ語用論を考究するとともに、ことばのおもしろさに迫った。 初年度はミクロレベルでのことばの意味と形式を超えた心の汲み取り方、次年度にはマクロレベルでのことばの仕組みと働きに焦点をあて、最終年度ではそれらを総合し広くレトリックに隠された仕掛けを明らかにし、さらにはリテラシー能力涵養におけることば学の具体的な役割を論じた。メタ語用論としてのことば学が、言語学的意義のみならず、社会にあふれる情報の中から然るべき情報を精選するリテラシー能力を涵養するうえでも、社会的、教育的意義があることを明らかにした。 最終年度では、論文2編と共著2冊を公開した。とりわけ研究代表者・研究分担者・連携研究者の共著『ことばのインテリジェンス―トリックとレトリック』(開拓社、2018年4月刊行)はこれまでの研究成果のまとめとして、意味論・語用論・文体論などの総合的観点から、ことばや情報のデザイン、さらにそれらを読み解くことばのインテリジェンスを論じたものである。ことばや構図の選び方にも使い手の裁量や思惑が含まれることを押さえたうえで、物語、対話、演説、メディア報道、さらにネットへとジャンルを広げ、メタ語用論的意識からどのようにトリックやレトリックを見極めていくのかを考え、ことばのおもしろさに踏み込んだ。
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Research Products
(4 results)