2017 Fiscal Year Annual Research Report
A Semantic-Cognitive Approach to the Entrenchment of the Recipient Passive in Late Modern English
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15K02602
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
米倉 陽子 奈良教育大学, 英語教育講座, 准教授 (20403313)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 受益者受動構文 / 構文文法 / 文法化 / 義務的項 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画最終年度にあたる平成29年度(2017年度)は,3年間の研究の総括を行った。具体的には,研究計画1年目に活字発表した学術論文(米倉 (2015))をさらに発展させるべく,新たにassign, deny, permit, procure, obtainの二重目的語構文受動態文例,すなわわちTheme項が受動態文の主格主語となるTh passiveおよびRecipient項が主格主語となるRec Passiveの例を,後期近代英語コーパスであるCorpus of Late Modern English Texts 3.0から採取し,Th PassiveとRec Passiveの比率の変化に着目した。その結果,米倉 (2015)と同じく,コミュニケーション動詞(tell系動詞)の一種と考えられるdenyやpermitは比較的早い時期(1710年-1780年)からRec Passiveが高い比率でみられる。特にdenyはこの時期におけるRec Passive率が70%を超えており,Rec Passiveとの親和性の高さがうかがえた。一方,授与動詞(give系動詞)の一種であるassignのRec Passiveの比率は1780年-1850年期間でも12%に過ぎないことが分かった。procureおよびobtainの獲得動詞(get系動詞)になると,Rec Passiveの例はコーパス中一つも見当たらなかった。 これらの動詞のRec Passive受容度の差および変化は,IO-DO言語からPO-SO言語へのシフトの反映と考えられる。PO-SO言語では,Recipient項が義務的項となる。したがって,英語Rec Passive定着に当たっては,Recipient項が義務的である動詞の方が,この受動態構文と相性がよい。 以上の分析をとりまとめ,2017年9月に近代英語協会機関紙『近代英語研究(Studies in Modern English)』第34号に投稿し,2018年3月に正式に掲載が決定した。
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Research Products
(1 results)