2016 Fiscal Year Research-status Report
日英語の意味・語用論的志向性に関する記述的・理論的研究
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15K02603
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
今野 弘章 奈良女子大学, 人文科学系, 准教授 (80433639)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | デフォルト志向性 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.昨年度注目した「英語は伝達的表現を無標の表現レベルとするのに対し、日本語は非伝達的表現を無標の表現レベルとする」というデフォルト志向性の解除に関する研究成果を論文にまとめ、国内で出版予定の論文集に投稿した。 2.事態把握に関する日英語のデフォルト志向性について研究を進めた。先行研究によって指摘されている「英語は話し手が自ら述べる状況の外に視点を置いて述べる傾向が強いのに対し、日本語は話し手が自ら述べる状況の内に視点を置いて述べる傾向が強い」(中村 2004、本多 2005、池上 2006)という認知的デフォルト志向性に注目し、当該志向性が解除される現象の有無を主に文献調査によって検証した。調査により、デフォルト志向性解除として位置づけられる現象の選定までは計画通り行うことができた(英語の懸垂分詞構文(早瀬 2009)、日本語の再帰表現の一部(Hirose 2014))が、それらの現象に対して研究代表者独自の記述や分析を提出するまでには至っていない。 3.早瀬尚子氏(大阪大学)を招いて講演会「従属節からの談話標識化の諸相」を開催し、英語懸垂分詞構文に関する氏の研究について理解を深めた(2017年2月3日於奈良女子大学、奈良女子大学文学部欧米言語文化学会と共催)。 4.本研究課題と並行して日本語のイ落ち構文(例:うまっ!)に関する研究を進めた。研究代表者は、過去の研究でこの構文が主語を持つことを主張した(今野 (2012))。その分析に対し、当該構文が主語を持たないとする分析が最近になって発表された(清水 (2015))。この対立を受け、両タイプの分析のどちらが妥当かを新たに検証し、前者の分析が経験的に支持されるという結論に至った。研究内容を国内の研究会で発表し(計4回)、国内で出版予定の論文集に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度注目したデフォルト志向性およびその解除に関する研究が、文献調査に留まり、オリジナルなデータや分析などを出すまでには至っていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度の研究において、当初計画していた内容に加え、今年度の課題に関する考察も引き続き行う。
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Research Products
(5 results)