2017 Fiscal Year Annual Research Report
The Syntax of Represented Speech and Its Related Constructions
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15K02608
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
廣江 顕 長崎大学, 言語教育研究センター, 教授 (20369119)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 直接引用文 / 語彙概念構造 / 発話動詞 / 関数 / 項 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度(最終年度)の研究は、描出話法文また直接引用文を埋め込む際、それらを補文として選択する、主節としての発話動詞(あるいは述部)が、日本語と英語では異なる振る舞いをすることを廣江(2018)で明らかにした。具体的には、日本語の場合、当該主節発話動詞は必ずしもnarrow syntax(別の言い方をすれば)計算体系のレベルで描出話法文あるいは直接引用文を選択するメカニズムを持っているわけではなく、Jackendoff (1990,1997, and 2005)で提唱されている語彙概念構造(Lexical Conceptual Strycture)を仮定すれば、その構造レベルにおいて選択(認可)されていると考えれば、母語としての日本語話者の直感にも合致するだけでなく、経験的にもより多くの事実を説明することができることを主張した。一方、英語の発話動詞の場合、日本語の場合に主張した選択特性が見られず、その結果、narrow syntax で選択されないものは、非文となることを理論的に主張した。 ところが、日本語と同様、明らかに直接引用文及び描出話法文をnarrow syntaxでは選択できないはずの発話動詞が選択している事実が観察される。この事実を捉えるためには、日本語の場合とは異なり、英語の場合は主節発話動詞そのものの語彙概念構造に、本来選択できないはずの直接引用文及び描出話法文を選択する、[SAYING[DQ]]という関数(function)とその項(argument)のスロットが付加されると考えることで説明ができることを主張した。
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Research Products
(3 results)