2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K02617
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Research Institution | Kansai Gaidai University |
Principal Investigator |
橋本 功 関西外国語大学, 外国語学部, 教授 (10022378)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 聖書ヘブライ語 / 翻訳 / 翻案 / 数詞の翻訳 |
Outline of Annual Research Achievements |
小説の題名、映画のタイトル、新聞等の見出しにおける聖書表現の翻案例を収集しながら、これらに対応する聖書ヘブライ語表現を文献学的に比較・対照し、各時代の英訳聖書における翻案の方法を部分的にではあるが観察した。平行して、聖書ヘブライ語表現が、間接的にあるいは直接的に、古英語、中英語、近代英語に翻訳される過程で、どのように変容するかを数詞表現を利用して検証を試みた。その結果、数詞表現においても、表現方法が時代や文化に応じて変容していることが判明した。これらのデーターや検証結果は以下のように公表した。 1.「英語における数詞表現の変遷について」『英文學研究』日本英文学会支部統合号. 2. "Development of Compound Numerals in English Bibles, Letters, Diaries and Documents",Proceedings in International Conference of 2016 Arts, Humanities, Social Sciences & Education, Hawaii University, at Ala Moana Waikiki Hotel. January 3-6, 2017.(http://www.huichawaii.org/assets/hashimoto%2c-isao---2016-ahse-huic.pdf)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
聖書表現から派生したと考えられる翻案表現を収集し、対応する原典のヘブライ語聖書の表現とつきあわせ、翻案の元になったヘブライ語表現を確定するという、文献学的作業を行ってきた。この作業では、翻案表現と聖書ヘブライ語表現との間の対応関係に曖昧性を伴う場合があることが判明した。そのために、平行して、翻訳表現において大きなずれが起こらないと考えられる数詞に着目し、聖書ヘブライ語の数詞表現をそのラテン語訳や英語訳と比較・対照し、翻訳表現の違いについて検証を試みた。その結果、数詞表現においても、翻訳言語により表現方法に差が出ることが判明した。この検証結果は学会を通じて公表した。
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Strategy for Future Research Activity |
聖書ヘブライ語表現の翻案について、データの文献学的な調査研究を行ってきた。この調査を行う過程で、近年研究成果が著しい認知意味論研究の観点からの分析を加えるとにより、研究成果の有用性が増加することに気づき、平成28年度から認知意味論の研究者である杏林大学准教授 八木橋宏勇氏(研究者番号 40453526)を分担者に加えることを申請した。この度、その許可が得られたので、今後は、翻案の文献学的分析に加え、認知意味論の観点からの分析も同時に行う。
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Causes of Carryover |
重篤な病気になり、一時的に入院・加療の必用が発生したたために、予定の研究機関へ出張し、資料収集等の活動ができなくなり、旅費を消化できませんでした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
予定していた、研究機関における資料収集や、新たに研究分担者として認められた杏林大学準教授八木橋宏勇氏との研究打合せ等に活用する。
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Research Products
(1 results)