2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K02620
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Research Institution | Nara University |
Principal Investigator |
内田 聖二 奈良大学, 教養部, 教授 (00108416)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 関連性理論 / 高次表現 / 照応表現 / テクスト現象 / パラダイムシフト / 日英語対照 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は認知語用論としての関連性理論のなかで発展してきた、メタ表象、高次表意といった概念から英文法を見直し、項目縦断的に新たな視点から体系化を試みる。具体的には、高次表現、照応表現、テクスト現象に焦点を置く。そこでは話しことば、書きことばといった形での区別はせず、いずれの場合にも統一的に説明できる原理を追及するものである。 平成27年度は、まず、(1)これまでの科研の研究成果を本研究の趣旨に沿って整理し、(2)関連性理論の最新の進展状況を本研究に関連するところを中心にreviewした。同時並行的に、日本語ではほぼ義務的に高次表意が具現される言語現象に相当する、in case、sinceなどの副詞節や、「というのは」に相当するbecause、forなどの接続節、見たところ高次表意とかかわりが薄いと思われる、修辞的if節や’The question/thing/point/problem etc. is S.’などの英語の言語事象を中心に、paperbackからの用例の収集に努めた。 また、メタファー研究会で関連性理論からみたメタファー現象についてlectureを行った。そこでは、メタファーをより一般的な説明する過程で、本研究と関連する連語現象にも言及した。 なお、2015年9月、アントワープでの国際語用論学会、2016年3月、日本大学での社会言語科学会などの関連学会に出席し、最新の情報、資料を収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記、「研究実績の概要」で述べたように、(1)これまでの研究の整理、(2)最新の関連性理論のreviewすることは順調に進んでいる。また、同時並行的に、in case、sinceなどの副詞節や、「というのは」に相当するbecause、forなどの接続節、’The question/thing/point/problem etc. is S.’などの英語の言語事象を中心に、paperbackからの用例の収集に努めてきた。ただ、用例収集については、paperbackを読み込む必要があることから、やや遅れ気味であるが、全体としてはほぼ予定通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、引き続きpaperbackからの用例の収集に努めるとともに、bridging referenceや推論が求められる照応などを射程に入れて、照応表現などの分析を行う。また、関連性理論の自由拡充(free enrichment)をCarston, 2002, Thoughts and Utterances: ThePragmatics of Explicit Communicationを中心にまとめるとともに、最新の進展もカバーし、理論的支柱とする。また、関連学会に出席し、最新の情報、資料の収集に努める。
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