2015 Fiscal Year Research-status Report
英語史におけるポライトネス・ストラテジーの変化と原因
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15K02621
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Research Institution | Hiroshima Shudo University |
Principal Investigator |
福元 広二 広島修道大学, 商学部, 教授 (60273877)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 英語史 / 語用論 / ポライトネス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、英語史におけるポライトネス・ストラテジーの変化を考察することであり、中英語期から後期近代英語期にかけて、各時代の人々がどのようなポライトネスに配慮した話し方をしているかを明らかにし、さらには通時的にどのように変化してきたかを分析するものである。平成27年度においては、初期近代英語期における「付加疑問文」に関する論文を執筆した。「付加疑問文」もポライトネス・ストラテジーの一つであり、話し手と聞き手との関係を知ることができた。 また、平成27年度においては、中英語期から初期近代英語期における「依頼表現」のデータを収集した。中英語期では、法助動詞を用いたCould you~やWould you please~?といった表現はまだ発達していない。当時はPrayなどの動詞を用いて、I pray の表現形式が多く見られた。初期近代英語期においても、その傾向が見られるが、後期英語期になると次第に法助動詞が発達してきて、法助動詞を用いた表現が増加する。 ポライトネスの観点から、Brown and Levinson のポライトネス・ストラテジーに従い、ポジティブ・ストラテジーに相当するか、またはネガティブ・ストラジーに相当するかを分類した。特に演劇においては、話し手と聞き手との社会的な関係に着目して、親子間、夫婦間、恋人間、兄弟間、友人間、国王と家来、主人と召使、召使同士などに分類して特徴を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先に提出した研究計画書に従って、まず平成27年度においては、英語史の文献に見られる「依頼表現」を拾い出し、どのようなポライトネス・ストラテジーが機能しているかを調査した。そのため、進捗状況としては、順調に進展していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後については、交付申請書の通りに、英語史におけるポライトネス・ストラテジーについての調査を行っていくつもりである。 研究計画の変更や研究を遂行する上での課題等は特にない。
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Causes of Carryover |
購入を考えていた図書が絶版のため購入できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究計画書に記載してある通りに、電子コーパスと図書の購入を予定している。
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