2017 Fiscal Year Research-status Report
在日外国人情報弱者のための母語による子女の学校教育関連情報提供システムの構築
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15K02627
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
佐々木 良造 秋田大学, 国際交流センター, 助教 (50609956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八重樫 理人 香川大学, 工学部, 准教授 (30410848)
吹原 豊 福岡女子大学, 国際文理学部, 准教授 (60434403)
助川 泰彦 首都大学東京, 国際センター, 教授 (70241560)
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Project Period (FY) |
2015-03-01 – 2019-03-31
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Keywords | 進学情報提供Webサイト / インドネシア人コミュニティ / 進路選択 / バイリンガルサイト |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度の研究の成果は、(1)インドネシア人保護者にインドネシア語で、その子どもにやさしい日本語で高校進学情報を提供するバイリンガルWebサイトの試作版を構築したこと、(2) 試作版Webサイトについて、茨城県東茨城郡大洗町在住のインドネシア人の保護者とその子ども3組に提示し、フィードバックを得たこと、(3) (1),(2)の過程をまとめ、「子どもの日本語教育研究会第2回研究会」(査読あり、ポスター発表)で発表したこと、の3点があげられる。特に、(3) のポスター発表においては、高校進学を控えた中学生のインドネシア人家庭だけでなく、小学校の教員や児童にも役立つであろうというコメントが得られた。 平成29年度の研究成果の意義・重要性は、茨城県東茨城郡大洗町在住のインドネシア人コミュニティにおける高校進学情報のニーズに対応するWebサイトを構築したことである。これまで、高校に進学するための情報は、子どもの通訳を通して得た情報(通訳する子ども自身も十分理解していない可能性がある)や、コミュニティ内の「クチコミ」といった、インフォーマルな情報、あるいは、信憑性に疑問が持たれる情報が主であったが、書かれたテキストとして、インドネシア語・日本語の両言語で情報が提供された点に意義がある。また、インドネシア語が優位言語である保護者と日本語が優位言語である子どもとで進学情報を共有することによって、進路選択に保護者が関与できる。進路に関して保護者に相談し、助言を得ることを願っている子どもにとって、バイリンガルの進学情報提供Webサイトの存在は重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は日本語からインドネシア語への翻訳に時間がかかったため「やや遅れて」いたが、平成29年度は翻訳が一旦終わり、進学情報提供Webサイトの試作、試作版Webサイトの評価と当初の予定どおりまで研究課題を進めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
試作版進学情報提供Webサイトを公開することが研究最終年度の目標である。公開にあたって、(1)情報の正確さ、(2)情報量の増加、が求められる。Webサイトの試作、評価を繰り返し、求められる情報が提供できるよう、内容を充実させていく。 また、既存の進学情報提供サイトの情報を収集し、特定の言語・特定の地域の在日外国人情報弱者だけでなく、全国各地の進学情報を集約していく。さらに、高校進学情報だけでなく、子どものライフコースに沿った教育情報が提供していけるようなサイト作りを目指す。
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Causes of Carryover |
情報提供Webサイトの試作版は、無料で利用できるレンタルサーバを利用し、研究代表者自身でサイトを立ち上げたため、Webサイト構築の費用がかからなかった。次年度はWebサイト構築のためのサーバレンタル料等に利用する予定である。
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