2018 Fiscal Year Annual Research Report
Former International Student Employees' Conflict Resolution and Effect Factor in a Multicultural Business Environment
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15K02634
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
加賀美 常美代 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (40303755)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 多文化就労場面 / 葛藤内容 / 葛藤解決方略 / 労働価値観 / 就労意識 / 元留学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では多文化就労場面における元留学生社員の葛藤解決方略に、葛藤内容、労働価値観、就労意識がどのように影響するか検討することを目的とした。2017年3月から7月にかけて日本人社員と共に就労している元留学生社員を対象に、質問紙調査を実施した。対象者は100名(女性73名・男性27名)であり、国籍別では中国43名・台湾21名・ベトナム13名・韓国9名・その他14名であった。因子分析を行った結果、元留学生社員の『葛藤内容』は「宗教に対する無理解」「職場規範の不透明さ」「日本人社員による完璧を求める職務態度」「会社の規範重視」「外国人社員に対する軽視」の5因子が抽出された。『労働価値観』は「自己成長」「社会的評価」「宗教的価値」「社会的貢献」「経済的報酬」「同僚への貢献」「転職・起業志向」「達成感」の8因子が抽出された。『就労意識』は「職場への貢献」「職場との調和」「職場への影響力」「自己能力への自信」の4因子が抽出された。『葛藤解決方略』の「対決」「協調」「回避」の3要因の尺度の信頼性については信頼性分析を行った結果、各尺度において内的整合性が求められた(α=.70以上)。葛藤解決方略と葛藤内容、労働価値観、就労意識の関連について重回帰分析を行った結果、葛藤内容の外国人社員に対する軽視が「対決」「協調」「回避」の葛藤解決方略に共通して影響を与えていた。労働価値観の「自己成長」が重視されない場合には「対決」方略がとられ、それが重視される場合には「協調」方略が選択されていた。また、就労意識の「職場への慣れ・定着」が認識されていない場合には「対決」方略や「回避」方略を選択することが示唆された。最後に、就労意識の「職場への貢献」を認識していない場合には対決方略や回避方略に影響を及ぼす傾向が見られ、否定的な対人関係になる可能性が示唆された。今後はより詳細で総合的な分析を進める必要がある。
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Research Products
(9 results)