2015 Fiscal Year Research-status Report
ピア・レスポンスにおける日本語母語話者と日本語学習者の差異
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15K02645
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Research Institution | Akita International University |
Principal Investigator |
石毛 順子 国際教養大学, 国際教養学部, 准教授 (40526050)
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Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2018-03-31
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Keywords | ピア・レスポンス / 推敲 / グループディスカッション / 作文 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、グループディスカッションにおいてグループメンバーおよびグループ外のクラスメートの作文を検討する際の、日本語母語話者と日本語学習者の発話と行動の違いを探ることである。平成27年度は、pilot study、プロトコル作成、文献収集を行った。予備調査は10月採択後に中上級の日本語学習者を対象として行うこととし(秋学期には日本語母語話者対象の授業を担当していないため、日本語学習者のみを対象とした)、11月と12月に予備調査を行った。予備調査は12回の授業のうち10回目と12回目、4回のグループディスカッションのうち3回目と4回目で行われた。受講者は5名であり、グループは教員を含めての3名×2グループとした。 プロトコル作成と同時進行で行った観察の結果、ディスカッション中発言をほぼしない参加者でも、他の学生の意見にうなずいたり、笑ったり、あるいは作文を揃えてから再度読むなど他のメンバーと同じ行動を取ったりするという方法でディスカッションに参加していることが伺えた。 2回のグループディスカッション終了後、グループディスカッションを進める上で困難を感じた点について尋ねたところ、「自分の意見を相手に言うための文型を最初の授業で教えてほしい」というコメントが得られ、日本語学習者の場合は中上級であっても相手にアドバイスをするための文型を再確認しておく必要があることが示唆された。クラスメートとお互いの作文にアドバイスをしたことのメリットは、他人のアドバイスにより自分が気付いていなかったことが分かったという点が複数名からあげられており、この回答は今後行う日本語母語話者でも同様に得られると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
年度計画では平成27年度に日本語学習者のpilot study、pilot studyのプロトコル作成と分析、ピア・レスポンスの文献収集・研究情報収集を行う予定であった。pilot studyのプロトコル作成と分析は開始したが終了しておらず、若干の遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は予定通り日本語母語話者と日本語学習者のピア・レスポンスの調査、プロトコル作成、質的分析、量的分析を行う。pilot studyのプロトコル作成と分析が平成27年度中に終わらなかったため、調査と同時並行で行う。
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Causes of Carryover |
2015年4月採択を目指して申請したが、採択されたのが2015年10月であったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度にプロトコル作成の遅れが生じているため、音声認識ソフトウェアを購入しプロトコル作成の補助としたり、プロトコル作成を積極的に協力者に依頼したりするなど、プロトコル作成のスピードアップのための費用としたい。
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