2015 Fiscal Year Research-status Report
ソーシャルネットワークアプローチによる日本語教材開発
Project/Area Number |
15K02662
|
Research Institution | Kaetsu University |
Principal Investigator |
清水 秀子 嘉悦大学, 経営経済学部, 教授 (70707778)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細江 哲志 横浜商科大学, 商学部, 講師 (60526531)
白鳥 成彦 嘉悦大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (70552694)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | SNA / コンピテンシー / 日本語教育 / 異文化コミュニケーション / つながる |
Outline of Annual Research Achievements |
4月~6月にかけ、ソーシャルネットワークアプローチに関連する文献や、21世紀のビジネスやグローバル社会で求められるコンピテンシー(問題解決能力、協働力、異文化適応力、高度な思考、自律的に学習を進める力、などの行動特性)についての文献の整理をした。 異文化教育学会、日本語教育学会、CASTEL-J学会に参加し、日・米・日本語教師を中心に、各教師が実践しているSNAを導入した教授法や、教育を進める上での課題について事例調査を進めた。教育事例だけでなく、近似のコミュニケーション事例についても調べていった。 また、研究後期での分析作業に必要となるソーシャルネットワーク上のコミュニケーションの分析手法(質的研究・ネットワーク分析など)の文献整理を行った。 5月の日本語教育学会で、SNAについての第一人者であり本研究の研究協力者でもある當作靖彦教授(カリフォルニア大学サンディエゴ校)にエキスパートインタビューを行った。近年のSNAの動向や事例についてヒアリングし、同アプローチについての理解を深めた。 上記の調査活動をもとに、下半期の9月~2016年1月に、嘉悦大学でSNA型授業,基礎ゼミ留学生クラスを観察、調査を行った。清水は『異文化間コミュニケーション』の授業で、日米の大学生をFacebook上で交流させることで、米大学生が日本語を学びつつ異文化理解を深めることができる演習を実践した。同授業にて、この研究で調査してきたSNA教材事例のいくつかを実践し、経験知を育んだ。又その実践報告を9月に異文化コミュニケーション学会と、コロラド日本語教師協会で発表した。 2016年3月31日にはシアトルで開催されたAATJ(全米日本語教師協会)で白鳥と『ソーシャルネットワーキングアプローチ (SNA):グローバル社会とつながるための言語教育」というタイトルで発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SNA標榜者二人にエキスパートインタビューを予定していたが、一人について連絡がつかず、インタビューを28年度に行うことにした。
|
Strategy for Future Research Activity |
2016年6月25日に『ソーシャルネットワーキングアプローチと日本語教育 當作靖彦氏のセミナーと研究発表』を嘉悦大学で開催し、このアプローチについての情報と問題意識の共有を図る。前述の當作教授を基調講演者とし、その他、海外で日本語教師を務める教師・研究者を事例報告者として参加する予定。 さらに、これを機に、ワークショップの参加者を中心にしたインターネット上のコミュニティの形成を進める。このコミュニティを通じて日本語教材の試作開発の協力者を呼びかけ、長期的な情報交換や意見を行うためのネットワークを拡大しながら、本研究の継続的発展を目指す。 SNAを用いた日本語教材の試作と運用 夏頃(6月~9月)に、ワークショップに参加した教師・研究者を中心に、SNAを用いた日本語教材の試作を進める。ワークショップでの議論を反映させつつ、ソーシャルメディアを活用して「参加者同士での問題解決」「協働での作品づくり」「異文化を理解するためのコミュニケーション演習」を促す教材について検討していく。さらに「教師から学習者に対して高度な思考を必要とする課題の提示方法」「参加者が興味を持って自律的に学習活動へ参加することできる工夫」など、学習を円滑に進めるための支援法も考案する。利用するデジタル機材や、メディアの特性を活かした表現、教師側が学習者に向けて発信するインストラクション、学習者同時の対話を促すファシリテーションなども検討する。
|
Causes of Carryover |
年度末に海外学会での発表の旅費が27年度の経費に反映されていないため、次年度使用学が生じる理由となった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
旅費、及び書籍購入に使用する。
|
Research Products
(3 results)