2015 Fiscal Year Research-status Report
英語リメディアル教育におけるチャンツの有効性:リズム習得とWTCに焦点をあてて
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15K02689
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Research Institution | Iwaki Meisei University |
Principal Investigator |
川井 一枝 いわき明星大学, 教養学部, 准教授 (40639043)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 英語リメディアル教育 / チャンツ / WTC / 英語のリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
チャンツは主に小学校の外国語活動など子どもを対象とした指導で使用され、英語のリズム習得の他、学習者の情意フィルターを下げ学習意欲を高める点などが評価されている。本研究では、リメディアル教育を必要とする大学生を対象にチャンツを用いた指導を行い、発音能力など技能面の変化とWTC (Willingness to Communicate) など情意面の変化を検証することで、チャンツのメカニズムならびにリメディアル教育における影響を調査することを目的としている。初年度(27年)は、学会等に参加してチャンツならびにWTCに関する研究成果の情報収集と第1回目の調査を行った。大学生36名を対象にチャンツを用いた指導ならびにWTCに関する質問紙調査を行い、現在結果を分析中である。WTCに関する質問紙調査では先行研究とほぼ同じ結果が得られ、使用した尺度間では国際的志向性、L1WTC、L2WTCにやや強い相関が見られ、外国語教室不安尺度、L1WTC、L2WTCにおいては負の相関傾向が見られた。また「チャンツを用いた指導を受けてWTCが高まったか」という質問項目とL2WTC間においては相関が見られなかったが、L1WTC間においては中程度の相関が見られた。一方、自由記述の項目ではチャンツに関する肯定的意見が多く、今後テキストマイニングも進め更に分析していきたいと考えている。さらに同質問項目と「チャンツは英語の発音能力やリスニング能力の向上に役立つか」という質問項目間においてやや強い相関が見られた。音声の分析結果も併せ、今年度内に学会で発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
参加した学会等でチャンツやWTCに関する有益な情報が得られなかったこと、被験者や音声分析にあたり評価者の確保が難しかった点が理由としてあげられる。評価者の確保を急ぐと共に分析手法の見直しも行う。
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Strategy for Future Research Activity |
音声データの収集とWTCなどに関する情意面の質問紙調査を分けて行うことで被験者数を増やし、第2回目の調査を行う予定である。質問紙調査に関してはなるべく多くの人数を集めたいと考えている。また音声データに関する適切な評価者の確保を急ぎたい。第1回目の調査結果に関しては今年度内に学会発表を目指す。
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Causes of Carryover |
音声データを評価する適切な外国人講師やデータ分析を補助する大学院生が確保できなかったため謝金の必要がなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は音声データの評価者を確保して謝金として使用する予定である。
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