2015 Fiscal Year Research-status Report
教科を超えた考える力とことばを学ぶ力の神経基盤とその発達機序の解明
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15K02694
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
矢田部 清美 慶應義塾大学, 先導研究センター, 助教 (90455410)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 外国語学習 / 発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度である本年度は,これまでに受けた研究費による研究等の知見を踏まえ,ことばを学ぶ力と一般的なパズルやクイズを考える力の関わりおよびそれらの発達を明らかにするために,ことばやパズル,クイズを解く実験データにおける関連脳部位の血流動態変化の再解析を行いつつ,ことばやパズル,クイズを解く能力に関わる新たな実験を行った。 具体的には,同時期に発達の異なる群を設け,それら群間の差異を明らかにする共時的研究と,時期を変えた場合に,群の発達変化がどのように起こるかを明らかにする通時的研究を行った。前者では,ことばを学んだりパズルやクイズを行ったりする際に,発達の異なる群では,異なる脳部位間の連関が強まっている可能性が有意に高いことが明らかになった。後者では,ことばやパズル,クイズの解き方を学ぶ際に,発達の異なる群では,学習時期を経た後に,やはり異なる脳部位間の連関が強まる傾向があること,またことばを学ぶ際に,発達の同じ群でも,どのようにことばを学ぶかによって,学習時期を経た後に,パズル,クイズをする力が異なる可能性が有意に高いことがわかった。 こうした研究結果は,ことばを学ぶということが,ことば独自の脳部位に関わるものである一方,一般的なパズルやクイズを考えることを司る脳部位とも連携をとって行われている可能性があることを示しており,今後それらの発達を色々な観点から実証することが重要であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
その理由は,仮説の一部を,これまでに受けた研究費による研究等の知見等をもとにした実験やデータ解析により,検証することが出来たためである。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の成果を踏まえ,実験結果を追試するなど検証を継続する。
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Causes of Carryover |
本年度は施設付帯の大型設備を無償で使用することが許可されたため,まずはそちらの設備での計測結果を検討することとし,初年度計上していた物品費もしくは他施設使用費を来年度に計上することとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度は初年度計上していた物品費もしくは他施設使用費を計上することとする。
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