2018 Fiscal Year Annual Research Report
A study on the appropriate use of English articles: understanding noun countability
Project/Area Number |
15K02706
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
赤松 信彦 同志社大学, 文学部, 教授 (30281736)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 外国語学習 / 英語冠詞 / 名詞可算性 / 認知言語学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究プロジェクトの主要な目的は、認知言語学的知見に基づき名詞可算性に対する理解を深めることにより、適切な英語冠詞使用を促進するメカニズムを解明することである。2018年度は、前年度の結果を踏まえ、日英バイリンガルの英語の語彙サイズと、日本語と英語の名詞の可算性に対する感度の関係を調査した。 43名の日本人英語学習者に対し、語彙サイズテスト(Nation&Beglar、2007)を実施した。平均スコアは57.4(SD = 8.7)であり、それらの推定語彙サイズスコアは4,100から7,700の範囲であった。また、同じ日本人英語学習者に対し可算性判断課題を与え、日本語と英語の名詞の可算性に対する感度を調査した。この課題では、学習者は、可算性(数えられる・数えられない)の違いに関わらず同じ日本語訳を持つ59語の英語名詞とその日本語訳、合計118語の各単語に対する可算性を7段階で判断した。その結果、英語名詞と日本語訳の間に強い正の相関があり(r = 0.82)、英語名詞とその日本語訳の可算性の判断が一致していることが示唆された。しかし、各被験者の英語語彙力を基準に、可算性判断における各単語の2言語(日本語と英語)間の関連性を分析した結果、語彙力が高い学習者ほど、2言語間の関連性が低い傾向が見られた(r = - 0.28、p = .065)。これは、可算性という語彙概念において英語語彙力が高い日本人学習者ほど、 日本語と英語間の関連性が低い傾向があったことを指し、外国語である英語の語彙力が発達する過程で、それぞれの言語における単語の概念特性(名詞可算性)が確立されていくことを示唆した。
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