2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Teaching Materials for English Speaking Based on the Data of Eye Movements
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15K02708
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Research Institution | Shitennoji University |
Principal Investigator |
片野田 浩子 四天王寺大学, 教育学部, 教授 (40342117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西浜 クリス 名古屋経営短期大学, 総合ビジネス学科, 講師 (40727418) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 脳科学データ / 眼球運動 / 英語話者と日本語話者 / 英語スピーキング教授法 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの英語スピーキング指導の折に観察した『目を左右に動かす』=“英語発話の促進”←『英語による思考の促進』を仮説としてたてた。本研究の目的はこの仮説の科学的検証を試み、スピーキング教授法開発へつなげることである。脳科学データに基づくスピーキング教授法はあまり見られず、本教授法が開発されれば英語による思考が促進されるため英語で授業をする教員を含め、すべての英語学習者の潜在能力を引き出し日本人のグローバル化に寄与する点での意義は大きいと考えた。 実験方法:被験者の発話時の眼球運動をセンサーでとらえ、その軌跡をコンピューター上の画像としてうつしだす装置を使い英語発話時と日本語発話時の軌跡を比較した。被験者数:成人男女計27名 実験を通してコンピューター画面に映し出された被験者の眼球運動の軌跡の特徴を比較すると、3つのグループに分けることができた。つまり、(1)モノリンガルの被験者(日本語)、(2)セミバイリンガルの被験者(日本語並びに不完全ではあるが、英語を話したり聞いたりする)、(3)バイリンガルの被験者(日本語、英語)である。 実験後、モノリンガルの被験者が日本語で話す時の眼球運動のデータを比較すると次のような共通点が見出された。つまり、話す内容に関わらず、また性差や年齢差に関わらず、眼球運動の軌跡は主として上下方向の傾向があった。一方、セミバイリンガルの被験者の場合は、むしろ左右に広がる傾向にあった。そしてバイリンガルの被験者では、日本語使用の場合は上下、英語使用の場合は左右というように眼球運動の軌跡は異なり、使う言語ごとのコードスイッチングがはっきりと示されていた。現段階では、まだ被験者の数が少ないため、今後は同様の実験を続け、検証を繰り返していくと同時に、目を左右に動かすことを誘導する教材作りへと進め、さらにその学習効果を検証していきたい。
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