2016 Fiscal Year Research-status Report
モバイル機器を利用した反転授業とその効果に関する研究
Project/Area Number |
15K02727
|
Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
小張 敬之 青山学院大学, 経済学部, 教授 (00224303)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野澤 和典 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (00164690)
佐藤 健 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40402242)
河内山 晶子 明星大学, 教育学部, 教授 (80350990)
児島 宏明 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 研究員 (80356980)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 反転授業 / Active learning / Mobile learning / ATR CALL Brix / TOEIC / 世界観 / 自律学習 / 21世紀型スキル |
Outline of Annual Research Achievements |
従来の教育では、体系化された知識を伝授することを目指す知識伝授型の教育が多く見られた。しかし インターネットや携帯端末などによるコミュニケーションやコラボレーションを採り入れた教育手法の確立を目指す目的で、認知モデルや学習モデルの研究成果を採り入れた、授業実験を平成28年度は行った。また、演習の授業では、人間の世界観は体系的に伝授されるものではなく、自分の外部からの様々な刺激や経験を通じて、世界観や理解を体系化し、再構築したりしていると言う、社会構成主義の概念を取り入れ、オンライン教材も利用しながら世界観教育を行った。 平成28年度、1年生の2クラスにおいては、教材と連携した語彙学習用用のQuizletや、ATR CALL Brix の英語教育用ソフトを利用した反転授業と通常授業の教育効果を比較した。4月にPre-TOEIC test ならびに1月にPost-TOEIC テストを実施し、伸びを測定した。非反転授業群(n=26)が523点から584点と61点の伸びに対して、反転授業群(n=26)の得点が537点から717点と約3倍の180点の伸びを示した。反転授業群はInteractionやpresentation を中心に授業を行った。3年生の演習(n=27)の授業に関しては、623点から784点と161点の伸びがあった。これは、ATR CALL Brix のモバイル学習用ソフトを最低50時間以上学習する事を義務付けて、クラスではiPad を積極的に活用した英語によるActive learning を行った。オンライン用世界観教育教材を学習した後、Campus Crusade の学生達8名をクラスに招聘して、世界観の違いを徹底的に討論させた。その結果、アンケート調査から、80%以上の学生の世界観に変化が生じた事が判明した。21世紀型の英語教育・世界観教育のモデルの構築をした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度は、Pilot 学習として、自律学習アンケートを数回実施した。しかし、前期のアンケートでは、紙によるアンケートを実施したために、整理がしにくく、結果をうまく出すことができなかった。それで、後期にはオンラインでアンケート調査を実施した。特に前期の最初に行ったアンケート調査と後期の最後のアンケートの比較が人数の関係上うまく行かなかった。それで、平成29年度にオンラインアンケートを同じように3クラスの授業実験群ですでに4月に実施した。平成28年度のアンケートに関しては、学習方策ならびに自律学習に関して現在分析を行っている。また、携帯端末で人気のあるソフトを多少は学習させたが、ATR CALL Brix とQuizlet を学生が主に利用したために、他の英語学習用ソフトに関する調査が不可能であった。 世界観に関するオンライン教材は、ほとんど完成して使用しているが、携帯端末で学習できる語彙学習教材の開発が遅れている。語彙学習ソフトとしては、Quizlet が多種多様な機能を持っているために、現在利用している教科書の教材と連携をしながら、効率的な語彙学習方策を調査している。また、ATR CALL Brix は、語彙学習用の機能がかなり充実しており、これらの二つを融合させながら、学習をしていった方が効果が上がると判断したためである。ATR CALL Brix のソフトは TOEIC 学習に特化しいるが、総合的な英語力、特に発音や語彙学習に優れたソフトである。過去数年間利用をしてきたが、80%以上の学生が効果があがるとアンケート調査の中で回答している。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成29年度も、授業実験の3クラスで、すでに研究のテーマに関した、TOEIC pre-test と自律学習や学習方策に関するアンケートを4月に実施した。反転授業群と通常授業群の違いに関して、TOEIC の得点の伸び、学習方策、自律学習の観点から、数回アンケート調査を行い、ICT やモバイル技術を活用した21世紀型の学習方策を検討する予定である。また、Asuaka Academy と協力して、世界の大学の講義(MOOCs)を英語教育に応用した反転授業もすでに4月から始まっている。ユビキタス環境のなかで、モバイル技術やICTを最大限に利用した英語教育学習環境システム作りをしながら、従来の授業と21世紀型のActive learning の方策の違いを、learning strategy の観点から調査する予定である。教材の開発に関しては、すでに優れた基盤があるために、それらを利用しながら、世界観教育、効率のあがる英語教育をどのように充実していくべきかを検討し、21世紀型教育のあり方を検討し、モデルを提供したい。すでに、採択されている以下のような国内外の学会で発表をする予定である。JALT CALL 2017(国内)、Berkeley CALL 2017 (国際会議)、ASIA TEFL 2017(国際会議)、LET 2017 (国内)等の学会発表をする予定である。 今後、授業実験を進める中で、e-Learn 2017 (国際会議)、GLoCALL2017(国際会議)、Hawaii International Conference on Education 2018(国際会議)、ICERI 2017(国際会議)等に応募をする予定である。
|
Causes of Carryover |
平成29年の最終年度は、海外での研究発表が多くなる予定で、平成28年度の費用を使用せずに、今年度に使用することにした。授業のオンライン教材の開発に関しては、YouTube の動画作成と大学のCourse Power(Learning management system)を使用することにより、費用がほとんど発生しなかった。語彙開発用ソフトに関しては、Quizlet が優れた機能をもっており、これを教科書に連携させて使用した方が、効率が良い事が判明したため、費用を節約した。 ICTを利用した学習方略・自律学習に関するアンケート調査に関して、平成28年4月に行った調査は、紙を用いて実施したので、それほど費用が発生しなかったために、次年度利用すべき、オンライン調査費用の開発に使用することにした。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度、すでに国内の学会2つ、国際学会発表が2つに採択されて、研究発表のために費用を使用する予定である。また、平成29年9月~平成30年1月までに、研究関連に関した国際会議が開催される予定で、現在授業実験を進めながら、proceedings を準備中である。国際会議参加の費用のために使用する。それから、TOEIC の分析、学習方策、自律学習に関するアンケート調査研究のデータ処理をするために、ソフトを購入する予定である。その他、Quizlet ソフトの年間使用料を授業実験のために支払う予定である。後は、オンライン調査のプログラム開発をするために、使用する予定である。
|
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] CLIL of Teaching the Worldviews with ICT2016
Author(s)
Hiroyuki Obari
Organizer
42nd Annual International Conference on Language Teaching and Learning & Educational Materials Exhibition
Place of Presentation
Aichi Industry & Labor Center WINC Aichi Nagoya, Aichi Prefecture, Japan
Year and Date
2016-11-26
Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-
-
-