2016 Fiscal Year Research-status Report
英語母語話者の物語コーパスに基づいた慣用句を中心とした絵本教材の作成と提供
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15K02729
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
金子 朝子 昭和女子大学, 文学研究科, 教授 (10138505)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 英語絵本教材 / 英語物語コーパス / 英語慣用句 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、平成26年度までの科学研究費補助金基礎研究(C)課題番号22520630「英語話者の物語コーパス作成とレキシカルフレーズ中心のリスニング教材の提供」で収集した「英語物語コーパス」の中から、高頻度であった物語のストーリー分析を、Aarne-Thompson type index (AT分類)法(The types of international folktales, Folklore Fellows Communications, 第284-286巻)の分類に従い、使用頻度の高い慣用句とコロケーションを抽出し、また、汎用コーパスである、Lancaster/IBM Spoken Corpus(SEC)を参照コーパスとしてKey Word分析を行った研究をまとめ、論文を発表した。 また、北海道剣淵町の絵本の里をはじめ、英語絵本のコレクションが充実している図書館等に加えて、児童用英語図書を販売する書店等を訪ね、WEBでの紹介を始めた。同WEBサイトには、本研究で作成した、第1話目の「Toby's Friends」に加え、第2話の「Where's My Sock?」も、歌、伴奏、ジャズチャンツ、練習問題等を添えて掲載済みである。 これまで、文法や語彙、コロケーションを中心に物語を作成してきたが、多くの子ども達の心に残る物語に触れてみると、必ずしも、子供たちは文法的な視点から、物語絵本を通して英語を学ぶのではないように思われる点もあり、平成29年度には子ども達の印象に残る物語の要素を探る目的で、グリム童話の生い立ちやストーリー研究のため、ドイツのメルヘン街道への旅を計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね当初の計画通り順調に進んでいる。しかし、「英語物語コーパス」からの慣用句とコロケーションの抽出に関しては、民話、ファミリー・ストーリーなど、物語の内容によって、使用される種類や頻度が違うことがわかり、すべての物語に共通して用いられる慣用句の種類は期待していたほど多くないことが分かり、また、頻度も期待していたほど高いものではなかった。 この結果、単純に使用語句や文法の観点だけのみで、英語の絵本教材を作成するよりも、子ども達が興味を持つ物語の内容がどのようなものかに、より焦点を当てた研究の方向性が必要と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2年間の研究で、英語絵本の物語教材作成では、何を子供たちに伝えたいかという物語の内容が重要であり、そこで用いられる慣用句やコロケーションはより深く学ばれるのではないかという考えにたどりついた。 本年は、小学校の国語教材や道徳の教材などの中で、子ども達の記憶に残る物語の調査を行い、上記の点について、更に研究を深めたい。 最終年度には、現場の教員が、子供たちや教員自身が実際に経験したことなどに基づいて、英語の慣用句やコロケーションを活用した英語絵本教材を作成する補助となるWEBサイトを完成する予定である。
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Causes of Carryover |
海外での英語絵本の調査を計画していたが、夏期休暇中に実地ができなかった。また、個人のWEBページを開設の予定であったが、掲載内容に関して、区切りの良いところまでまとめた後とすることとしたため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度の計画の中に、英語絵本や童話の海外での調査を組み入れることとした。加えて、個人のWEBサイトも開設する予定である。
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Research Products
(4 results)