2020 Fiscal Year Research-status Report
英語母語話者の物語コーパスに基づいた慣用句を中心とした絵本教材の作成と提供
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15K02729
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
金子 朝子 昭和女子大学, 文学研究科, 教授 (10138505)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 入門期の英語の物語 / 小・中学校の動名詞の学びの連携 / 小学校英語指導書のコーパス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、科学研究費補助金を受け作成した「英語物語コーパス」を基にして英語の物語展開を分析した結果を活かして、日本の英語教育、特に小学校英語教育に資する絵本教材の作成と提供を目的としている。 同じ表現を違う場面で何度も繰り返すなどの子ども向けの物語の特徴を生かし、また、コーパスから抽出した使用頻度の高いフレーズや語彙も参考に、物語のサンプルを作成し、現場の教員がテンプレートを利用して、入門期の英語学習者の指導に活用できるように、子ども達の日常生活等に根差した英語の物語を作成できる仕組みの作成を目指している。2020年度は、これまでホームページに掲載されている物語2話に加えて、3話目の物語、Ton-Chan's Adventureをホームページに掲載した。 小学校では、新学習指導要領に基づいた外国語活動と外国語の指導が始まり、2020年度から、文科省検定済みの教科書が市販されている。これまでにも増して、小学校と中学校の連携が重要になっていると言えよう。 調査・研究面では、小学校の英語テキスト中学年用、Let's Learn!と、高学年用、We Can!の教師用指導書で用いられている英語の量と質を、コーパスを作成して調査すると共に、特に動名詞の扱い方に焦点を当て、小学校では暗示的に繰り返して聞き、話すことで、使いながら英語を学ぶ一方、中学校では文中での文法的な役割にも留意する明示的な学習を加えることで、学習の強化を目指していることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、子どもたちに参加してもらっての実験等を全く行うことが出来ず、計画通りに進めることができていない。 しかし、小学生中学年と高学年の生徒達が教室で学ぶ英語のコーパス(Let's Learn! 1 & 2, We Can! 1 & 2の指導書に基づく)を作成できたことで、今後の研究の資料としても活用できるものを得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年は、研究費の採択を受けて研究を行う最終年度となるため、これまでに作成した物語3話を使用して、実際に子供たちと一緒に学びながら、学習の成果を測ることを目指す。 特に、本研究で目指している、ある一つの物語を聞いたり読んだりして内容を十分に理解した上で、そのフォーマットを使って、教師が、自分や子どもたちの周りのことについて語ったり、子どもたちが、自分の考えや意見を交えて、英語のお話ができるかどうかを実験と調査によって確認する計画を立てている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、海外で行われる予定であった学会参加と発表、また、国内での調査・実験が成立しなかったため、次年度使用額が生じた。 2021年には「絵本を用いた英語指導における教師の修正フィードバック」に関する研究発表を海外の学会で行う予定で、そのための研究費並びに旅費として主に使用する予定である。
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Research Products
(5 results)