2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K02739
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Research Institution | Osaka Ohtani University |
Principal Investigator |
小山 敏子 大阪大谷大学, 教育学部, 教授 (20352974)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | スマホ辞書 / 電子辞書 / タブレット辞書 / 検索語の定着 / 辞書検索行動 / 辞書指導 / 辞書利用の意識変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目にあたる2016年(平成28年度)は、研究で得られたデータを3つの国内学会と1つのフォーラムで公表した。また、論文の一つが学会誌に採択された。 2016年8月、早稲田大学で開催された外国語教育メディア学会では、昨年度予備実験を行った結果を検証したデータを公開した。同程度の難易度の英文読解問題と語彙問題をスマホ辞書とタブレット辞書(ともに『ウイズダム英和辞典第3版』を使用)で解答してもらい、検索行動と学習効果で比較した。その結果、実験参加者から「使いやすさ」について高く評価されたタブレット辞書のほうが検索語数は多くなる傾向がみられたが、検索語の再認率はスマホ辞書使用の場合に高くなる可能性が示唆された。 続いて、同月、全国英語教育学会(獨協大学)では、連携研究者(関西大学山西博之先生)とともに大学入学前後の辞書活用状況についてのアンケート調査したものを公表した。また、9月には北星学園大学で行われた大学英語教育学会において、これまで継続して行ってきた辞書方略指導をe-ポートフォリオと組み合わせる取り組みを公開した。 3月に早稲田大学で開催されたJACETリーディング・語彙・英語辞書研究会の合同フォーラムでは、これまで外国語教育メディア学会で公表してきたスマホとタブレット辞書の比較データをまとめ、加えて、現在収集しているデータの一部についても言及した。 昨年度、学会発表してきた電子辞書とスマホ辞書の比較実験データを英語論文にまとめたものが、岩崎研究会の論文誌LEXICONで採択され公開された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績に記載したように、スマホ辞書、タブレット辞書、電子辞書の比較実験データ収集は順調に遂行でき、その研究結果を学会発表や論文公開という形で公表してきた。また、辞書利用の変化という観点から、当初予定していなかった大学生の辞書に対する意識調査も複数の大学で実施することができており、順調に推移していると考えられる。 但し、2年目に予定していた中学生を対象としたデータ収集については、協力を申し出てくれていた中学校教員が小学校に転勤されたため、今年度は実行できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
スマホ辞書とタブレット辞書での比較実験で、学習者らからは「見やすい」「使いやすい」という評価が高かったタブレット辞書よりも、スマホ辞書で検索した語の再認率が高かった理由をさらに調べていく予定である。特に、実験参加者らからはインタビュー調査で、これまでの辞書使用歴や辞書に対する意識についても尋ねていく。 また、英語の読解クラスでタブレット辞書を使用した辞書活用の試みを実施予定である。
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Causes of Carryover |
2016年度に予定していた国際学会での研究成果公表(2件)は、国際情勢(テロなど)を鑑み、採択されていた発表をキャンセルしたため、出張に関する支出が抑えられた。同時に、本研究課題と類似の研究テーマで、所属機関で採択された研究費等からの補助があり、成果公開のための国内学会出張費用などは、本科研費を使用せずにすんだ金額が少なからずあった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験参加者への謝金、データ収集後の入力アルバイトへの謝金、データ公開のための学会出張(国内、海外)と文献購入のために支出予定である。
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Research Products
(6 results)