2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K02741
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Research Institution | Hakodate National College of Technology |
Principal Investigator |
奥崎 真理子 函館工業高等専門学校, 一般科目人文系, 教授 (80233451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳴海 雅哉 函館工業高等専門学校, 一般科目人文系, 准教授 (10413709)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 音読 / モニタリング / 自律化 / 学習適応性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「英語を不得手とし日本語の拍(通称カタカナ英語)で音読する日本人学習者が、音声解析ソフトによる自己モニタリングや学習者相互モニタリングなど、音読モニタリングの自律化に向けた学習支援を受けると、学習適応力が向上する」という仮説の検証を目的とする。仮説の検証を通して、音読モニタリングの自律化が学習適応性に及ぼす効果を調査し、英語を不得手と感じる日本人学習者が自律的、主体的に学ぶ力を育む課外学習支援方法を確立することが本研究の最終目標である。 本研究では、課外学習支援活動を「音読道場」と命名した。研究初年度の平成27年度には、前期に環境整備を行い、対象学生として2年生10名を抽出し、後期開始後の10月初旬から後期中間試験1週間前の11月中旬まで4週間、放課後に第一語学演習室で週日45分間の音読道場を23回開講した。しかし、開講初年度の音読道場は、対象学生の課外学習支援システムとしては、環境的時間的制約が多く、ほとんど機能しなかった。 平成27年度は、この音読道場が学生の音読モニタリングの自律化に向けた学習支援として上手に機能しなかった実態を分析し、平成28年度以降の運用改善と課外学習支援効果に繋がる知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、課外学習支援活動を「音読道場」と命名し、研究初年度の平成27年度には、前期に環境整備を行い、函館高専第一語学演習室に、音声分析ソフトGlobal Voice Call 2を、学習端末に取り付け、動作確認まで終了した。夏季休業中に試験的に運用を重ね、後期からの運用に備えた。 平成27年度後期早々に、対象学生として2年生10名を抽出し、後期開始後の10月初旬から後期中間試験1週間前の11月中旬まで4週間、放課後に第一語学演習室で週日45分間の音読道場を23回開講した。しかし、開講初年度の音読道場は、対象学生の課外学習支援システムとしては、環境的時間的制約が多く、ほとんど機能しなかった。 この音読道場が学生の音読モニタリングの自律化に向けた学習支援として上手に機能しなかった実態を分析し、平成28年度以降の運用改善と課外学習支援効果に繋がる知見を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
音読道場という課外学習支援活動がほとんど機能しなかった実態を分析し、効果的な課外学習支援をGlobal Voice Call 2で行うための推進方策を3つにまとめる。 一つ目は、支援対象学生が音読の有効性について肯定的意識を持てるよう、音読活動に意義付けを行うことである。そのために、学生が、音読の4つの機能(門田2012): ①音声と文字を結びつけるための音読、②内容を理解するための音読、③語彙や文法規則を内在化させるための音読、④他人に聞かせて、理解させるための音読、を意識できるよう、学習プロセスをデザインすること。 二つ目に、音読道場が自律性を高める課外学習支援活動として成立するために、学生に音読の学習目的を理解させながら、学生が時間的制約を踏まえつつ自主的に学習計画を推進できるよう、個々の学習レベルに則したスモールステップ化した音読課題を提供し、学習効果を実感させ続けていくことで、学習の自律化が新たな学習動機を生む循環的な作用をもたらす機能を目指すことである。 3つ目として、学習者に「課題解決志向集団」を形成させ、共同的な信頼関係を育むことで、集団の力学を有効に使いながら自主性や自律性を育む協同学習(杉江2011)を展開させることである。課外学習支援活動としての音読道場が自主性や自律性を育む機能を持つために、「時間と場所と参加者の制限」を撤廃し、参加対象学生が気軽に立ち寄れる場所にPC端末を複数設置し、友達とワイワイガヤガヤしながらも、学び方を確認し合える環境整備を行う。
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Research Products
(3 results)