2017 Fiscal Year Research-status Report
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15K02741
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Research Institution | Hakodate National College of Technology |
Principal Investigator |
奥崎 真理子 函館工業高等専門学校, 一般人文系, 教授 (80233451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳴海 雅哉 函館工業高等専門学校, 一般人文系, 教授 (10413709)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 音読モニタリング学習 / 自律化 / 学習適応性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,「英語を不得手とし日本語の拍(通称カタカナ英語)で音読する日本人学習者が,音声解析ソフトによる自己モニタリングや学習者相互モニタリングなど,音読モニタリングの自律化に向けた学習支援を受けると,学習適応性が向上する」という仮説の検証を目的とする.平成29年度には、高専2年生5クラス、170名を対象に、一週間に一度90分、年間30回(前期15回・後期15回)の「英語コミュニケーションⅡ」という授業枠で、音読と音読モニタリングを指導しつつ、以下の研究仮説に取り組んだ。 1.音読モニタリング学習方法が異なると、①学生の音読ミス(発音・意味チャンクの区切り・イントネーション等のミス)と②音読速度(WPM)は変化するか。 2.音読モニタリング学習を開始する前(2年生4月)と音読モニタリング学習終了後(2年生2月)で、学生の学習適応性に変化はあるか。 音読指導は前期中間3回、前期期末2回、後期中間3回、学年末2回行った。学生は、一斉学習の形態で、英文リスニングの後、意味チャンク毎に日本語訳が示されたプリントを用いて、教師が発音やイントネーション、意味チャンクの区切りで息継ぎをする等の留意点を確認しながら、コーラスリーディング、モデル音声へのオーバーラッピング等の音読練習を行った。音読モニタリング学習として、前期では音声解析ソフトにおける自己モニタリングを前期中間2回、前期期末1回、後期では学習者相互モニタリングを後期中間2回、学年末1回、音読学習とは別の授業時間に行った。また、音読モニタリング学習後、音読試験(前期中間: 5月・前期期末: 7月) (後期中間:11月・学年末:1月)を実施し、学生の音読を4回評価した。 結果として、学習者相互モニタリングが音読速度の向上に効果を上げ、音読モニタリング指導が、学生の自己統制力につながった可能性を見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は,「英語を不得手とし日本語の拍(通称カタカナ英語)で音読する日本人学習者が,音声解析ソフトによる自己モニタリングや学習者相互モニタリングなど,音読モニタリングの自律化に向けた学習支援を受けると,学習適応性が向上する」という仮説の検証を目的とする.平成29年度、170名の学生に2種の音読モニタリング方法を実践し、音読モニタリングの自律化と学習適応性に及ぼす効果を調査することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
音読モニタリングの自律化が学習適応性に及ぼす効果の調査で得られた知見をもとに,英語を不得手と感じる日本人学習者が自律的,主体的に学ぶ力を育む課外学習支援方法を確立する.
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Causes of Carryover |
音読道場が効果を上げており、研究機材等にも不備や故障がなく、研究協力者(HOYAサービス音声ソリューション事業部・東京)と直接研究打ち合わせをする必要が生じなかった。そのため、物品費や旅費に繰越が生じている。 平成30年度には、研究成果を国際学会で発表し、また国内外で第二外国語として英語を教育している現場に足を運び、学習の自律化と課外学習指導方法について研究者や教育者と広く交わり、研究を新たな段階に進化させたい。
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Research Products
(3 results)