2016 Fiscal Year Research-status Report
移動表現に関わる中間言語研究と言語教育への応用:英語・日本語を対象に
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15K02753
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
眞野 美穂 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (10419484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉成 祐子 岐阜大学, 留学生センター, 准教授 (00503898)
松本 曜 神戸大学, 人文学研究科, 教授 (40245303)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 第二言語習得 / 移動表現 / 英語 / 日本語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、移動表現における第二言語としての英語・日本語学習者の学習者言語の特徴を明らかにすることであり、そのため産出実験を利用した分析を行うものである。移動表現は、様々な表現の基本となる表現であるにも関わらず、誤用も多く習得困難であるため、その学習者の特徴を明らかにすることで、現状の言語教育の問題点を明らかにし、移動表現をどのように教えるかについても示唆が得られるものと確信している。 平成28年度は、以下のような取り組みを行った。① 移動表現に関する先行研究の収集と分析:平成27年度からの継続であるが、新しく発表されたものについて、その議論を整理し、問題点を明らかにした。②実験の実施:平成27年度に作成した実験プログラムを利用し、英語母語話者、日本語母語話者、日本語母語英語学習者、英語母語日本語学習者のデータを主にイギリスと日本で収集した。各10人~15人分のデータを得ることができた。③データの分析と成果発表準備:②で収集したデータを経路表現に着目して分析し、母語話者と各学習者の表現傾向(どこで経路を表すのか、経路の種類ごとに差異は観察されるのか)を検討した。それをもとに国際学会に応募し、採択された。来年度発表を行う予定である。④論文投稿と掲載予定論文の改訂作業:本研究につながるこれまでの共同研究の成果を含め、移動事象の言語化における第二言語習得上の特徴について、成果の一部を国際学会で発表した。また、学会誌に投稿し、査読中である二本の論文の改訂作業を行った。 平成29年度は採択されている国際学会での発表を含め、研究成果の発表と社会への還元のため、ワークショップ形式での発表を計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度に前倒しで実験映像の撮影からプログラム作成までを行うことができたため、平成28年度は当初の予定より少し早く実験を開始することができた。日本語母語話者、英語母語話者、日本語を母語とする英語学習者、英語を母語とする日本語学習者のデータを予定通り収集し、分析を行うことができた。また、その成果の一部を国際学会に応募し、採択もされている。また関連する研究業績の刊行と、国内外での学会発表も行うことができ、そこで得られた意見を本課題のデータ分析にも生かしたいと考えている。このため、「おおむね順調に進展している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度が最終年度である。すでに実験でデータは収集済みであり、コーディングも進められているため、最終年度にはその分析と、必要であれば追調査を行い、得られた成果を学会で発表する予定である。すでに国際学会には採択されており、複数の経路要素を含んだ場面の言語表現の特徴について発表を行う予定である。 また、国内においても、平成29年度学会での発表を計画しており、本研究ので得られた研究成果を様々な観点からワークショップ形式で、研究分担者各自が発表する計画である。さらにそこでの意見を反映させ、論文投稿もしくは書籍化を目指す計画である。
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Research Products
(5 results)