2015 Fiscal Year Research-status Report
異文化交流環境における英語運用力の向上を目指す活動設計と実践研究
Project/Area Number |
15K02758
|
Research Institution | Chiba University of Commerce |
Principal Investigator |
山内 真理 千葉商科大学, 商経学部, 教授 (40411863)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | BYOD / Fluency Building / 異文化交流 / Virtual Exchange / Moodle / 社会スキル |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年度の一般英語の授業では、Moodleコースと連動したテキストを採用し、授業内ではペアワーク・4-3-2を応用した30秒x3トーク・Quizlet および Kahoot を用いた語彙文法ないし異文化クイズ、授業外ではテーマを決めた自由作文・SNSおよびMoodleを利用した交流活動(後期)を実施した。BYOD実践への学生の満足度は前期(3.8/5)、後期(4.1/5)とも高く、他の活動もアナログ・ICT利用いずれも両学期とも3.6/5〜4.0/5と好評であり、適材適所を意識したBYOD実践が有効に機能したと言える。 特に、流暢性向上を意図した下記活動は、BYODおよびICT利用の授業設計における適材適所の活動選択の重要性を強く示唆する。まず、授業内での英語の発話量向上にとって、試験的に導入した30秒x3トークの効果が予想外に高かった。2015年度は授業中の観察に止まるが、次年度はKiss-18に言語不安の要素を加えた質問紙調査を導入前後に行い、この効果を検証する。また、アナログ活動として英作文(分量重視)を課したが、以前行ったブログ利用のアウトプット活動に比べ、時間あたりの産出量の大幅向上を見た(例: 2012年度末、平均94語/20分; 2015年前期末、平均142語/20分)。 2015年度はKiss-18の社会スキルを自己目標設定の助けとして後期に2回実施したが、合計点はそれぞれ59.8±10.5、65.6±9.4といずれも大学生の標準値(56.4±9.64)を超えていた。これら合計点と交流での活動量(投稿量)との関連性は見出されなかった。同時に行ったWTC要因との関係を含めて細部の分析を現在進めており、個人差も大きいことからインタビューを行う計画である。なお、次の実践では流暢性向上活動の導入前のデータをとり、その効果の有無も確認する必要がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2015年度に採用したテキストと連動したMoodleコースが、代表者のMoodle環境では想定通りに動作せず、調整に相当の時間を要した。近年、日本ムードル協会によりMoodleコースを教員間で共有し合う仕組みが開発され、今後一層環境が整っていくことは間違いないが、現時点では、それぞれの機関で開発されたコース(素材)を、異なるMoodleサイトで利用する場合は相当の準備・検証時間を確保しておく必要があると思われる。 また、担当クラスの減少したことと、MoodleとSNSとの比較の意味もあり、1つの授業で交流実践を複数行うこととした。このため当初予定していたSkypeを利用した交流活動を英語のクラスで実施することが困難となった。
|
Strategy for Future Research Activity |
BYOD実践のノウハウは順調に蓄積できており、社会スキル・流暢性・WTCの関連の調査分析と、異文化交流活動を含めた授業設計(異文化理解促進素材の整備を含め)を、重点的に進めていく予定である。特に、2015年度末に参加したEthnology Days 2016で得たエスノロジー及びフィールドワークに関する知見と着想を生かした異文化交流活動の設計を図る。2015年度の実践より、Moodleコースの共有は特にモバイル利用の環境では管理自体が研究課題となりうる状態であることが明らかに成ったことから、次の実践では、一つの交流活動にのみMoodleを用い、授業のプラットフォームは簡易の方式で行うことにする。一方で、昨年度、Moodle教材の作成の効率化のためにLessonモジュールの改修を行っており、Lessonモジュールを利用した教材作成を授業実践とは独立させて進めていく。なお、連動したオンラインコースのあるテキストとしてはCengageのWorld Englishを採用している。
|