2017 Fiscal Year Annual Research Report
A Study from Multiple Approaches of the Generation and Acquisition of Passives
Project/Area Number |
15K02760
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Research Institution | Takachiho University |
Principal Investigator |
松谷 明美 高千穂大学, 人間科学部, 教授 (60459261)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 言語習得 / 受動文 / 統語論 / 運用論 / 認知言語学 |
Outline of Annual Research Achievements |
引き続き統語・意味・運用・音韻のインターフェイスに焦点をあて、英語と日本語の受動文を比較しながら、再度それぞれの大人の母語話者に調査実験を実施し、松谷はその成果をPassives - A Cross-linguistic Workshopにて口頭発表した。 さらに、松谷(高千穂大学)、連携研究者の高橋千佳子(東京純心大学)、海外共同研究者のパトリシア・ヒロニマス(Glendale College)、シャント・シャホイアン(Glendale College)の4名で、パネルディスカッション(the 16th Hawaii International Conference on Education)にて口頭発表した。松谷と高橋は、日本語を母語とする大学生の英語学習者に対して、受動文を選択させる(例えば受動者や対象が認知レベルで前景化されるような)コンテクスト、または能動文を選択させる(例えば動作主が認知レベルで前景化される)コンテクストと、接続副詞の有無との組み合わせの調査実験を行い、その結果から接続副詞が含まれる受動文を選択させるコンテクストにおいて高い確率で受動文が生産されることを報告した。ヒロニマスとシャホイアンは、受動態はコミュニケーションにおける伝達力が能動態よりも弱いと言う学説(例えば話者が非難を避ける場合や行為者を伝えられない場合に使用されるという従来の見解)を再考するために、フィクションの中に出てくる受動文の解釈・運用・生産について、英語母語話者と非母語話者の米国の大学生を対象に調査実験を実施した。そして被験者たちが動作主性の度合いに基づき、戦略的に受動文が使用されていることを把握し、そして彼ら自身がライティングにおいて受動文を戦略的に使用することで、能動文だけを使用する場合と比べより意味的・運用的に説得力のある文章が書けるようになったこと報告した。 高橋は現在完了受動態について、副詞を伴う場合と伴わない場合を分析・考察した。
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