2015 Fiscal Year Research-status Report
大規模ナラティブコーパスによる日本人英語学習者の「話す力」「書く力」の実証研究
Project/Area Number |
15K02762
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
山口 有実子 東海大学, 外国語教育センター, 准教授 (10624041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇佐美 裕子 東海大学, 外国語教育センター, 講師 (20734825)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 学習者コーパス / 外国語習得 / 処理可能性理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本人英語学習者の話し言葉と書き言葉の大規模コーパスを構築し、処理可能性理論で予測される普遍的発達段階及びCEFRレベルを用いて文法と語彙の分析を行い、「話す力」と「書く力」を多角的に解明することを目的とする。具体的には、総合大学に所属する様々な学部・学科の日本人大学生による文字のない絵本を題材とした口頭と筆記のナラティブデータの収集を行い、録音した口頭ナラティブは文字化し、筆記ナラティブと共にコンピュータに入力して大規模コーパスを構築する。処理可能性理論(Processability Theory, Pienemann, 1998)で予測される普遍的発達段階及びCEFRレベルを用いて話し言葉と書き言葉における文法と語彙の使用を分析する。英語学習歴に関するアンケート調査及び英語圏在住の日本人留学生及び英語を母語とする大学生の口頭と筆記のナラティブコーパス構築も行い、国内で学ぶ日本人学習者の話し言葉と書き言葉における文法と語彙との違いを分析する。 2015年度は、口頭および筆記ナラティブの収集、文字化、コンピュータへの入力を行い、コーパス構築を進めた。コーパスの一部については処理可能性理論を用いた文法習得段階や語彙使用の分析などを行い、初期段階のデータ分析結果として国内学会にて発表し、学会誌への論文投稿を行った。査読者からのフィードバックを基に論文の修正を行い、新たな分析結果を加えた研究成果を2016年に開催される国際学会にて発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究初年次における主な目的は、データ収集およびコーパス構築であり、日本人英語学習者の「話し言葉」「書き言葉」のナラティブコーパスファイルの作成をほぼ予定通り進めることが出来た。初期段階のデータ分析結果は国内学会にて発表し、論文執筆へと繋げた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に従って、研究二年次にあたる2016年度は、初年次に構築した学習者コーパスについて、処理可能性理論(Processability Theory Pienemann 1998)、CERFと照らし合わせながら文法、語彙の習得についての分析を進めていく。海外にて英語を長期的に使用した経験のある日本人学習者の「話し言葉」「書き言葉」のデータを更に収集することによって、日本国内のみで学習してきた英語学習者との比較を試みていきたい。
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Causes of Carryover |
初年度は、国内学会および国際学会にて1件ずつ発表を行う予定としていたが、研究代表者、研究分担者の予定調整により、国内学会における発表のみを行ったため、外国旅費および学会参加費を繰り越すこととなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、繰り越した分の予算を国際学会参加のための旅費および参加費に使用する予定である。
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