2016 Fiscal Year Research-status Report
中国語学習者を対象に発信力の向上を目指したスピーキングテストの開発
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15K02781
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
曲 明 室蘭工業大学, 工学研究科, 准教授 (60727064)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ペアテスト / スピーキングテスト / 中国語教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年度では、2つのことを取り込んだ。一つは前年度に引き続きペアスピーキングテストのデータ収集であり、もう一つはペアスピーキングテストの妥当性を検証することであった。 2016年度の前半では、中級中国語学習者60人を対象に、インタビューテストとペアスピーキングテストを行った。スピーキングテストの会話データは被験者たちの同意を得た上で、録音した。その後、テストの採点、会話データの文字お越しを行った。 後半では、ペアスピーキングテストの妥当性の検証を行った。両テストの形式の違いが受験者の得点にどのような影響を与えているのかを、両テストの総合得点及び下位項目(発音、語彙、文法、流暢さ、コミュニケーションスキル)得点の相関分析と平均値の差の検定(t検定)を行い検証した。相関分析の結果では、すべての項目において有意な相関が見られた。総合得点と発音では両テストの得点には高い相関であったが、他の各下位項目では中程度の相関が見られた。また、t検定の結果では、発音、語彙、文法の3項目は、両テストの得点の平均に有意差がないが、一方、流暢さでは、インタビューテストよりペアテストの方が平均得点が有意に高く、コミュニケーションスキル項目では、インタビューテストよりペアテストの方が平均得点が有意に低いことが分かった。この結果から、この2項目においては、スピーキングテストの形式の違いによって難易度が異なっていたと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ順調に進展している
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ペアテストの妥当性を検証するために、テストの形式要因のみならず、形式要因と言語習熟度要因との組み合わせの効果がテストの得点に及ぼす影響を明らかにする。テストの形式の2種類(インタビューテストとペアテスト)と受験者の言語習熟度の2種類(成績の上位群と成績の下位群)の2×2の二元配置分散分析を行い、テスト形式要因と言語習熟度要因の交互作用の効果とテストの形式の主効果を求める。交互作用がない項目に関して、テスト形式の主効果のみ検証し、考察する。交互作用がある項目に関して、その後因子ごとに他方の因子のどの水準間に差があるかを見るため単純主効果検定を行い、テスト形式の単純主効果を検証する予定である。
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Research Products
(6 results)