2017 Fiscal Year Research-status Report
英語は原則英語で教授すべきか-学習動機・英語会話意欲に与える影響-
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15K02795
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
古賀 功 東海大学, 国際教育センター, 准教授 (90528754)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 会話要因の変動 / 動機要因の変動 / 英語の授業を英語で / 教員の母語の影響 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度は、Reading and Writing の大学1年生の必修科目において、英語で授業を行った際と日本語で授業を行った際に、動機要因である理想の自己(ideal LS self)という概念と会話意欲(willingness to communicate)がどのように変動したかを調査した。分析方法としては2名の英語母語話者の教員が英語で教授、2名の日本語母語話者が英語で教授、1名の日本語母語話者が日本語を頻繁に使用して教授する3つのグループに分け、そのグループ間に差が見られたかを検証した。結果、WTCは英語母語話者のグループに向上が見られたものの、その他のグループでは、理想の自己・WTCともに変化を示さなかったことが明らかになった。これは、必修授業で理想の自己やWTCを向上させるための特別な指導を行うことができなかったことが変動を示さなかったことの要因として挙げられるが、同時に英語を英語で教授することが学生にとって不安を向上させ、会話意欲や動機にネガティブな影響を及ぼさないことが判明したと言える。これらの結果を、国内の学会と海外学会で発表を行い、同時に論文執筆も行い、2018年度に投稿する予定である。 また、自己決定理論に基づく要因も分析の対象にしており、外発的動機がより内発的動機に変動していったかを分析・検証し始めている。これらの研究はより変動に焦点を当てているが、その動機・会話要因の関係性も明らかにし、どのような授業方法がそれらの要因により良い影響を与えるかを検証することも考えている。さらに、自由記述から学生の意識を質的に分析することも考慮に入れて、研究を続けている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2016年度に副教務委員に任命され、2017年度には正教務委員に任命されたことにより、研究以外の業務が莫大に増え、結果当初予定していた計画を再検討し、進めていく必要があったので、進歩状況はやや遅れていると認識している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度が最終年度となるため、現在所有している調査データをさらに分析・検証していく予定である。具体的には外発的動機、内発的動機、3欲求(有能感・関係性・自律性)といった自己決定理論で議論されている要因が英語を英語で指導した際にどのような変動を示すかを質的・量的両面から分析する。また、教員の英語使用が適切であるかも学生の立場から考慮し、実際の授業内での英語使用量が適切であったかなどを調査する予定である。これらの結果を、国内・海外の学会で発表し、論文としてまとめていくことを予定としている。 実際に、6月には国内学会と海外学会で発表することが決まっており、8月にも発表予定である。中学校でも英語の授業は原則英語で行うことになるので、可能な限り私の研究を発表し、教育現場に還元できるよう努力するつもりである。
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Causes of Carryover |
昨年度は学内業務多忙のため学会発表等に参加する機会も少なく、またデータ入力の雇用依頼もできない状態であった。本年度は学会参加、データ入力などで助成金を使用させていただく予定である。
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Research Products
(2 results)