2016 Fiscal Year Research-status Report
韓国の英語のデジタル教科書に関する調査と日本への示唆
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15K02798
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Research Institution | Tokyo Keizai University |
Principal Investigator |
カレイラ松崎 順子 東京経済大学, 現代法学部, 准教授 (40454186)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 韓国 / デジタル教科書 / 英語 / 小学校 / 小中連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は韓国の英語のデジタル教科書の3年生用の3冊のスクリプトを作成し、内容分析と語彙分析を行った。その結果、韓国で使用されているe教科書は,『Hi, friends!1』と比較してみると,内容分析の観点では学習者が言語機能を推測・理解しやすいようにコンテクストの特定化と対話の構成がなされていることが明らかになった。語彙面においては,『Hi, friends!1』では最も多く使われていた動詞はlikeであり,名詞では食べ物の話題が多いなど使われているなど語彙にかなり偏りがあったが, 今回分析を行った韓国のどのe教科書も食べ物の話題とともに文具などの語彙も頻出しており,動詞においてもbe, have, thank, look, like, letなど一般的な動詞が使われているなど,各e教科書において多少のばらつきはあるが,『Hi, friends!1』と比較して、韓国のe教科書は様々なコンテクストにあった基礎的な語彙や表現が使われていることが明らかになった。 さらに、日本の中学校用デジタル教科書と韓国のデジタル教科書と比較した結果、韓国のデジタル教科書の利点として以下の6点が明らかになった。1.読み上げ機能「通し読み」「リピート読み」「主観映像」は「聞く」「聞いて真似する」「対話者として参加する」ことができるようになっている。2.「Oral Introduction」はlessonのpre-listeningとして使用できる。3.「Movie」は、動画を見ながら英語を聞くことができる他、字幕のボタンを押すと字幕を見ることができる。4.ところどころ単語やフレーズを隠すマスキングができる。5.「Picture Cards」には本文に即した挿絵が書いてあり、場面ごとに本文を聞くことができる。6.「Practice (Listen)」ではlistening問題のスクリプトが見られる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展はしているが、韓国において学校全体で英語のデジタル教科書を使用している小中学校というのは予想外に少なく児童の自習用として、または、学校内でも各教員に任せていることが多く、学校全体で質問紙調査を難しいことがわかった。よって、当初は韓国の小中学校(各5校)において英語のデジタル教科書に関する調査を児童に行う予定であったが、児童に対する調査よりもデジタル教科書の機能・内容・語彙に焦点をあて、それらを日本の小中学校のデジタル教材・デジタル教科書と比較していきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は以下の3点を中心に行っていく予定である。 1.韓国の英語教育およびデジタル教科書の現状を調べる 2.韓国の小学校3年生から小学6年生の英語のデジタル教科書の分析(語彙分析・内容分析)を行い、それらを日本の『Hi, friends! 1』『Hi, friends! 2』中学校用デジタル教科書中学1・2年生とそれぞれ比較していく。 3.韓国のe教科書を使用した授業を日本の小学校で行い、その効果を調べる。 。
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Causes of Carryover |
2017年度に旅費としてかなり多く使用する予定があるため、そのために2016年度は支出を抑えた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2017年度は韓国への海外出張の調査に2回と学会発表を3回予定しており、主に旅費として使用する予定である。
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Research Products
(6 results)