2018 Fiscal Year Research-status Report
韓国の英語のデジタル教科書に関する調査と日本への示唆
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15K02798
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Research Institution | Tokyo Keizai University |
Principal Investigator |
カレイラ松崎 順子 東京経済大学, 現代法学部, 教授 (40454186)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 韓国 / デジタル教科書 / 英語教育 / 教育格差 / 小学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
小学3年生から6年生の韓国の英語のデジタル教科書の分析を語彙面から行い、語彙が学年が上がるにつれてどのように変化しているかの分析を行ったが、現在はそれに関する論文を執筆中である。また、教科書ではないが、日本でよく使われている小学生対象の英語のテキストのLet's Goのデジタル教材の分析を行った。このデータと韓国の英語のデジタル教科書の比較を行い、こちらも今年度中には学会発表、できれば論文として発表していきたいと考えている。 また、昨年度は2つの国際学会で発表を行った。そこでは台湾・マルタ・ポルトガル・チェコなど各国で小学校の英語教育を専門にする研究者と知り合うことができ、各国の小学校の英語教育について知ることができた。特に、台湾に関してはデジタル教科書や英語村に関する情報を得ることができ、今後、韓国から台湾に範囲を広めて研究を行っていきたいと考えている。韓国は大統領が変わるたびに教育政策が大きく変わるため、2019年度現在では、当初計画されていたデジタル教科書の全面的な公教育での普及はいまだ実現されていず、韓国でのデジタル教科書に対する関心は年々低くなっていったように感じる。また、朴大統領就任後,「先行学習禁止法」が制定されたため、放課後学校での小学1・2年生の英語学習が禁止されたことから、近年英語図書館が注目を集めている。よって、今年度は「先行学習禁止法」や英語図書館に関する資料なども集めた。ICTを使って先進の英語教育を進めてきた韓国であるが、予算不足から失速し、現在では英語図書館という地味ではあるが、予算のあまりかからない堅実な手段が注目を浴びているようである。 その他、デジタル教科書という観点ではエストニアが小学校から高校まで全校にデジタル学習教材を無償配布しており、デジタル教科書に関しては今後エストニアに注目していきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は本来は韓国の英語のデジタル教科書の小学3年生から6年生の分析を語彙面から行った論文を発表し、掲載する予定であったが、執筆にかなりの時間がかかっており、掲載には至らなかった。また、世宗市のスマートラーニングについての論文もやはり執筆に時間がかかっており、まだ出版できていない。ゆえに、今年度は韓国の英語教育についての論文を学会誌などにあらたに掲載することができなかった。 その他、昨年度はサバティカル中であったため、研究費が通常のように使用できないこともあり、日本にいるときよりも研究のペースがかなり遅れてしまったのも一因であると思われる。今年度は日本に帰国したため、今までの遅れを取り戻して論文執筆に集中していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は最終年度のため、学会発表と論文執筆などの成果発表を中心に行っていきたいと考えている。特に、世宗市のスマートラーニングに関する論文はまだ執筆途中であり、今年度の7月までには執筆を終えたいと考えている。また、デジタル教科書に関する研究に関しても分析を終了しているデータがいくつかあるため、そちらの執筆も今年度末までには執筆を終了したいと思っている。特に、デジタル教科書ではないが、日本でよく使われているLet's Goのデジタル教材との比較も行っていきたいと思っている。また、研究成果の社会への還元ということで、韓国のデジタル教科書を参考にして、小学校の授業で使えるデジタル教材を制作する小学校の英語の教員養成講座に関する研究を行いたいと考えている。 また、韓国の英語教育に関してはここ数年大統領が変わったこともあり、大きく方向が変更され、全小中学校へのデジタル教科書の配布が中止されるなど、デジタル教科書の普及が失速した。その代り、英語図書館などの予算がかからない対策が注目されていることもあり、今後は教育格差対策としての英語図書館についても研究を行っていきたいと考えている。また、デジタル教科書に関してはエストニアが小学校から高校まで全校にデジタル学習教材を無償配布しており、今後エストニアにも注目していきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
昨年度はサバティカル中であったため、物品検査などができないため、物品・消耗品をほとんど購入することができず、旅費にしか使うことができなかったためである。
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Research Products
(3 results)