2015 Fiscal Year Research-status Report
看護学部における正書法処理力と音韻認知力改善のための項目バンク構築と補助教材作成
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15K02800
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
市山 陽子 東邦大学, 看護学部, 准教授 (50458741)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | プレースメントテスト / 項目バンク構築 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は下記の通りであった。看護学部の学生が医療英語特有の難解な語彙を習得する際に必要となる、正書法処理力(特定の 文字が単語内で出現する位置についての特徴、文字の並びについての規則性や頻度を抽出し、これらの知識に基づいて単語を処理する能力)と音韻認知力(書かれた単語を音素と書記素の対応 規則によって音声化しながら単語を処理する能力)を正確かつ継続的に測定(形成的評価)するために、医療英語の語彙に焦点化したテスト項目を多数の備えた項目バンク(平井 2010)を構築する。テスト項目には難易度を付与し医療の分野毎に分類・整理することで形成的評価の実施を円滑にする。また研究結果を反映させた問題を使用した補助教材を作成する。本年度の研究実施計画は下記の3点であった。 1)英語の正書法と音韻に関する先行研究レビューおよび、テスト項目(200 問)を作成する。2)テスト項目の難易度検定およびテスト項目の改良する。3)補助教材(A4 用紙 1 枚のワークシートを 5 枚程度)を作成する。 本年度は上記3段階のそれぞれにおいて優位な進捗を収めた。第一段階については、先行研究レビューのうち特に日本の大学生が使用する辞書10点の音韻標記を比較して、間違いや混乱が生じやすい一般的な語彙を80単語抽出した。また看護学部でよく利用される英語教科書のレビューを行い、80単語抽出した。それらをもとにテスト項目を200問作成した。第二段階として、それらのテスト項目の難易度検定を行い、項目適合度の低い80項目を改良・削除した。第三段階として、open-syllableの特徴を持つ書記素に焦点を当てた補助教材を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
テスト項目のうち項目適合度が低い項目を削除したため、特に一般的な語彙に比べて医療系語彙が不足している。 先行研究レビューのうち看護学部でよく使用される教科書の種類を拡充することで、看護学部に特徴的な語彙の抽出を拡大する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
看護学部においてよく使用される教科書のレビューを完成させ、看護学部に特徴的な語彙の抽出を完了させる。それらを使用したテスト項目の難易度検定を行い、項目適合度を向上させるための改善を行う。 ワークシートを書記素毎、難易度毎に使用できるように改良する。
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Causes of Carryover |
ワークシートの作成に必要な項目数(200問)が項目適合度不足により、2016年度に購入を予定していたパソコンの購入を来年度に変更した。またテスト項目作成およびデータ分析についての最新の知見を得るための学会・ワークショップ出席を来年度に改めて行うこととしたため未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
パソコン購入および学会・ワークショップ出席のための経費に未使用額を充てることとしたい。
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Research Products
(1 results)