2015 Fiscal Year Research-status Report
国際英語論に基づくアプローチの有効性―英語学習者の心的障壁克服の実証
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15K02804
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
塩澤 正 中部大学, 人文学部, 教授 (10226095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 寛 中京大学, 文化科学研究所, 準所員 (90301639)
倉橋 洋子 東海学園大学, 経営学部, 教授 (10082372)
小宮 富子 岡崎女子大学, 子ども教育学部, 教授 (40205513)
下内 充 東海学院大学, 人間関係学部, 教授 (50249215)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 国際英語論 / World Englishes / EIL / ELF / 言語自我 / 言語政策 / 心的障壁 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「自分の英語(My English)」を肯定する国際英語論的な学習アプローチが日本人英語学習者の「言語不安」の克服に有効性をもつことを実証的に調査検証することにある。「国際英語論」の理論的枠組みを日本の教育現場に合わせて再構築し、応用方法を具体的に提示し、データに基づきながらその有効性を実証的に示す。最終的には教材として提示する予定である。 本年度は、1)言語習得と情意要因(inhibition, anxiety, risk taking, affective filter, language ego, WTC, affective competenceなど)との関係、また情意要因と国際英語論との関係を整理し、その評価基準を設定した。また、2)日本人英語の音韻・語彙・統語上の諸特徴を活かしたintelligibilityとは何かを先行研究と今までの研究の蓄積をまとめた。さらに3)国際英語論を英語教育の諸分野に導入する具体的方法の分析と検討、発音・語彙学習への導入法の分析と検討、speaking、listening学習への導入法の分析と検討、reading、writing学習への導入法の分析と検討、異文化コミュニケーション学習への導入法の分析と検討などを各分担者が行った。この成果はThe Eighth International Conference of English as a Lingua Franca 学会での発表、いくつかの教材としてのアクティビティーの開発につながった。また、『国際英語論で変わる日本語英語教育』(仮)という一冊の本となって、2016年には出版されることとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定した通り、概ね順調に進んでいる。研究分担者5人がそれぞれの領域で必要なデータを集めつつ、28年度の本格的な研究の準備ができている。やや遅れている分担者もいるが、全体としては特に問題ない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、国際英語論が英語学習に与える教育効果に関する調査と分析を継続する。夏休みには多様な英語に触れたあとの情意要因の変化に関する研究を行う。また、本研究の中心研究となる「国際英語論の導入が学習者心理と英語技能の両面において与える教育効果の測定」を実験クラスを利用しながらデータで証明を試みる。さらに国際英語論を英語教育の諸分野に導入する具体的方法論についての研究もそれぞれの研究者の専門とする分野で継続、開発する。
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Causes of Carryover |
研究分担者の多くが研究成果を海外の国際学会で発表する予定でいたが、費用がかさんだため本年度は国内の学会の発表が多かった。これが主な理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年度のものと合算して海外や北海道での大学英語教育学会で発表予定であり、基本的に使用計画通りの支出となる予定である。
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Research Products
(7 results)