2015 Fiscal Year Research-status Report
医療系大学におけるESP導入期の専門語彙テストの開発と妥当性の検証
Project/Area Number |
15K02806
|
Research Institution | Kyoto College of Medical Science |
Principal Investigator |
藤枝 美穂 京都医療科学大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20328173)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 広子 東海大学, 教育研究所, 教授 (50191789)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | ESP / コーパス / 医療英語 / 語彙テスト / 項目分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,独自に編纂した患者教育向けテキストの英文コーパスの分析によって選定した語および句を用いて60項目の問題を作成し,「医学英語」を受講している大学1年生88名に対し,2回の試行テストを授業支援システムMoodleを利用してオンラインで行った。また,この授業に関しては,授業設計および教材開発の効果について,インプットとアウトプットの語彙に焦点をあてて分析した論文をまとめた。 試行したテスト形式はいずれも多肢選択で(1)英語を見て相当する日本語を選ぶもの,(2)日本語を見て相当する英語を選ぶもの,(3)文中の空所を補充する語を選ぶもの,(4)英語を聞いて相当する日本語を選ぶもの,の4種類である。このうち,(3)の空所補充問題の文はコーパスから抜き出した実例を用いた。また,(4)のリスニング問題については,Moodle上での音声再生回数を制御することができなかったため,出題方法に課題が残った。 2回目の試行テストについて,古典的テスト理論を用いて項目困難度,項目弁別力指数,実質選択指数に着目した分析,およびラッシュモデリングを用いてそれぞれの項目困難度とモデルフィットに着目した分析を行った。テスト全体の信頼性係数は低くはなかったが,個々の項目を細かく分析していくと,カタカナ語の影響で項目困難度が低くなっている問題や,選択肢がうまく機能していない問題など,改訂すべき点が明らかになった。それと同時に,学術語や接頭辞・接尾辞の指導など,今後の指導に取り入れるべき示唆が得られた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
リスニングテストの形式について,当初は2,3種類の形式を試すつもりでいたが,1種類にとどまってしまっている。理由としては,リスニングテストの形式に関する先行事例の研究が遅れていることと,プラットフォームとして利用したMoodle上での音声制御に関わる課題が明らかになったからである。
|
Strategy for Future Research Activity |
ESPにおける語彙テストにリスニングを導入する点は本研究の特色でもあるため,オンライン上での音声制御の課題を克服するため,専門家の助けを得る予定である。その後,リスニング問題については再度パイロットテストを実施する。
|
Causes of Carryover |
研究分担者の海外出張旅費が予定よりも安くできたための残金である。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
残金は,今後の出張旅費に組み込んで使用する予定である。
|
Research Products
(3 results)