2017 Fiscal Year Research-status Report
小学校教員養成課程における「外国語活動」指導力育成カリキュラムの開発
Project/Area Number |
15K02808
|
Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
風早 由佳 岡山県立大学, デザイン学部, 准教授 (20633043)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 小学校外国語活動 / 早期英語教育 / カリキュラム / 教員養成課程 / 英語教育 / 指導者支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、研究計画中の「外国語活動に特化したe-learningの開発」に関して取り組んだ。平成28年度より着手した外国語活動指導者のためのフレーズ集作成のためのデータ収集と編集、印刷製本を行った。幼稚園・小学校の教員との打ち合わせを行い、不足や改善点を見つけ、教員が使用しやすい章構成に改善した。 また、フレーズ集に沿う内容の外国語指導者用e-learning教材の開発を行った。様々なクイズ形式のe-learningに取り組むことで、フレーズ集に収録された175のフレーズとそれに付随する会話表現を学習することができる。子ども学専攻大学生20名が3週間e-learningに取組んだ結果、二週間後に行った確認テストで、フレーズ集の約8割について意味を理解し、表現と適する場面を結びつけることができている。e-learning取組前の正答率約5割と比較して学習効果が確認できた。 フレーズ集で取り上げるそれぞれの場面にイラストを配置し、B5判14頁の冊子として印刷製本した。e-learningについては、フレーズ集内にアクセス方法、URLを記載し、誰もが無料でアクセスできる状態にして、教育委員会を通して市内全公立小学校、幼稚園に配布した。小学校からは冊子の追加注文もあり、e-learningのアクセス状況からも、現場で活用され始めていることがうかがえる。 今回のフレーズ集には、文科省の新教材にある「文字指導」は含まれておらず、新たに加え、改定する必要がある。10月に市内小学校1年生から6年生を対象としたアンケートでは、「英語を書いてみたい」に対して、「はい」と回答した児童が全校の7割で、特に高学年でその傾向が強く見られた。この結果からも、平成30年度は文字指導についての調査、研究を進める。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年に完成できなかった指導者支援教材(フレーズ集、及びe-learning)については着手、完成したものの、文部科学省から小学校外国語活動で使用する新教材が提示され、その内容に沿う形にまでは修正できていない。 文字指導に向けたフレーズ集、必要語彙、また文字指導の研究については着手したばかりで、調査と検討に時間を要している。平成30年度中に必要な情報を追加し、e-learningの更新、フレーズ集の改訂版作成を行う。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度の到達点は、平成29年度作成のフレーズ集の改訂、e-learningの改善を行う。また、平成29年度に小学校において実施したアンケートの結果からも児童の「文字」への関心の高さがうかがえた。従来の音声中心の指導を引き継ぎながらも、文字指導についてもカバーできる指導者支援教材が必要である。平成29年度に引き続き、文字指導に対応するための教材作成に向けたデータ収集、現場教員、教員課程学生を対象とした調査を行い、教材作成に取り組む。
|
Causes of Carryover |
(理由) 平成29年度は文字指導についての調査、研究に着手し、成果物として教材の印刷製本、e-learning作成を予定していたが、データ収集、分析が遅れており、データ量も不十分であったため、平成29年度は文字指導についての研究成果を除くクラスルームイングリッシュを主とするフレーズ集とe-learningの作成までを行ったため、次年度使用額が生じた。 (使用計画) 文字指導に関する先行研究、教材の調査、先駆的な事例調査のための旅費、及び成果物の印刷製本等に使用する。また、成果物は地域の学校等に無料で配布する。
|