2017 Fiscal Year Annual Research Report
French Indochinese business circles and diplomacy between France and Japan during the First World War
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15K02812
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
松沼 美穂 群馬大学, 教育学部, 准教授 (40438304)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 第一次世界大戦 / フランス領インドシナ / 日本 / 帝国史 / 関税 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究成果はおもに、第一次世界大戦中のフランス領植民地インドシナの対日本製品関税という問題を、日本にとってのこの大戦という主題のなかに位置付けたことである。すなわち大戦100周年を機に、ヨーロッパ以外の地域と人々を視野に入れてこの大戦を検討することによりその真の世界性を把握することがめざされるようになり、さらにそこで、第二次世界大戦に圧倒的関心が注がれてきた国内および外国での日本近現代史研究において一次大戦にも関心がようやく高まったなかで、本研究者は戦争中のフランス外交の日本に対する関心についての知見を提供する機会をもった。その際に、大戦中の日仏外交の最大の焦点となった日本陸軍欧州派兵問題を論ずる際に、これとインドシナ関税という経済的問題および、二つの植民地帝国の間の関係という視点を組み入れることで、立体的な歴史像を提示することが可能になった。さらにこのような考察を通して、フランス外交におけるインドシナの対日関税の意味が、経済的なものから、大戦勃発を機に政治的・軍事的なものへと変容したことを理解できた。いっぽう日本外交にとってはこの問題の最重要な側面は一貫して政治的・象徴的なもの、すなわち友好国・欧米並みの国として最低関税率適用を要求するというものであり、この点は日本にとって戦前戦中を通して変わらぬ一貫した要求であった。以上のような知見は日本語での論文および外国語での発表のなかで公表された。
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Research Products
(3 results)