2018 Fiscal Year Annual Research Report
Cultural Studies on Higher Commercial Schools
Project/Area Number |
15K02864
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
阿部 安成 滋賀大学, 経済学部, 教授 (10272775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 利奈 滋賀大学, 経済学部, 准教授 (00402701)
長 志珠絵 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (30271399)
杉 岳志 島根県立大学, 人間文化学部, 講師 (40456306)
江竜 美子 滋賀大学, 経済学部, 助手 (50242970)
坂野 鉄也 滋賀大学, 経済学部, 准教授 (90514620)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 日本史 / 教育文化研究 / 高等商業学校 / 実業実学青年 / ライフヒストリー |
Outline of Annual Research Achievements |
1.今年度の史料調査は、国立国会図書館、一橋大学附属図書館、富山大学経済学部資料室・同学部同窓会にて実施し、高等商業学校(以下、高商)の実態を知るために、高商の逐次刊行物『高等商業学校学友会雑誌』『一橋会雑誌』、高商の地元新聞『鎮西日報』、全国規模の実業界誌『実業之日本』を閲覧し、また、高商生徒の卒業後の動向を探るために、高商の同窓会所蔵史料を閲覧した。 『高等商業学校学友会雑誌』『一橋会雑誌』においては、「実学」「実業」をめぐる記事を検索、閲覧した。『鎮西日報』を通して、長崎高商や長崎大学が刊行した校史にはあまり記されない、長崎高商開校以前の動向を断片ながら捉えることができた。『実業之日本』は必ずしも充分な情報があるとはいえないところがあるが、高商卒業生の就職をめぐる情況を伝える記事があり、同誌における高商記事索引を作成した(未完)。高商の同窓会史料として調査、閲覧した高岡高商越嶺会の同窓会誌(『同窓会誌』『高陵』)と『同窓会員名簿』における、同校卒業生の就職情況をたどれる史料価値を確認した。対照し得る彦根高商の同様史料の方が、卒業生の就職の情況や動向を知り得るどあいが高いことが判明した。 2.これまでの調査研究の一つの総括として、2019年2月にワークショップを開催し、研究協力者もふくめた報告者が、(1)20世紀前期の外地における高商として台北高商に関わる台湾総督府の南支南洋調査を考える、(2)高商に関わる戦時下の広告やその媒体についての枠組みを考える、(3)高商の学科科目と学知をとおして「商人」の育成から「経済人」を育成する教育の場として高商を考える、(4)高商についての現在の研究動向とそれをふまえて彦根高商における生徒執筆稿を考える報告を行い、ついで、高商の調査研究をめぐる論点と課題と展望を討議した。
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