The Study and arrangement on the folk materials during the Meiji and Taisho eras in Kumejima ,Okinawa prefecture

2019 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 15K02869
• Research Institution: Komazawa University
• Principal Investigator: 小川 順敬 駒澤大学, 総合教育研究部, 教授 (00338302)
• Project Period (FY): 2015-04-01 – 2020-03-31
• Keywords: 沖縄研究 / 久米島 / 大正、昭和期民俗資料 / 紬資料 / 地籍図

Outline of Annual Research Achievements

令和元年度は、明治36年沖縄県土地整理に基づく久米島具志川間切の地籍図発見によりこれを調査資料対象とした結果、時間的に研究の終了が難しくなったため延長申請を行った。
この間、地籍図の整理と目録化を優先して作業を行った。具志川間切全121字のうち、114字の地籍原図が残されている事が判明した（破損の大きいものも含む）。この地籍図については、かつて京都大学による科学研究費調査によって目録が作成されていたが、今回は、地籍図の状態、寸法、裏紙となった役場の罫紙（反古紙）の種類などを目録化し、二重にした中性紙袋に保管する事とした。この際、地籍図原図の青焼き、明治41年以降の市町村制施行により間切を村にかえた地籍図の青焼きなども、その劣化状態を鑑みて原図と同じく中性紙袋に保管、目録化も行った。全ての地籍図関係資料は237点となった。
久米島郷土資料の整理目録化は、仲村渠昌清資料の目録化、山里家資料の戦前資料（主に君南風神社関係に限定）の整理・目録化、山城家資料のうち特定村落（現行の字）の明治20年前後の役場提出書類の備忘録翻刻は終了した。
これらの資料は、久米島博物館に厳重保管されているが、全て写真撮りを行い、HDDに記録して久米島博物館でも保管し利用の便に備えている。
資料分析については、a.仲村渠昌清資料中の歴代地頭代一覧の内容整理、b.紬関係資料の戦前聞書資料に限定した貢納布の内容検討、c.模合関係資料の内容確認、d.久米島小学校日誌（明治初期～昭和）、『島尻郡誌』など関連資料との比較検討により久米島明治期の年表化、編年化は、一部作業に遅れが出たものの、大半を終えた。ただし、報告書の作成が年度内に終了せず、こちらは持ち越しとなってしまった。特に、紬関係資料については、近世文書ではない、明治大正期の聞書資料として新発見があるものの、比較資料が見当たらず、現在も整理中である。