2015 Fiscal Year Research-status Report
北海道移住者と先住社会との関係史的研究―明治初期の有珠・幌別・室蘭・白老の比較史
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15K02872
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
檜皮 瑞樹 早稲田大学, 付置研究所, 助教 (00454124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久留島 浩 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (30161772)
伊達 元成 伊達市噴火湾文化研究所, その他部局等, 研究員 (70620897)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 移住者 / アイヌ民族 / 北海道 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、明治初年の北海道移住武家家臣団を分析対象とし、①移住武士団の比較史、②移住地での地域社会形成、③移住をめぐる文書保存と記憶、という三つの課題を設定した。そのため、2015年度は2度の研究会及び現地調査と、研究成果公開のため伊達市主催のイベントに参加した。 2015年4月28日には国立歴史民俗博物館で第1回研究会を開催した。代表者檜皮が「亘理伊達家中北海道移住に関する政治的検討」と題して1869年の亘理伊達家の蝦夷地移住をめぐる明治政府との関係について、仲介者としての広沢真臣の動向や宇和島伊達宗城関連資料に関して報告を行った。また、研究協力者工藤航平が「明治初年の北海道における郷学校設立と地域社会」と題して亘理伊達家による学校運営と地域社会における知の蓄積に関する報告を行った。2015年8月12日には北海道伊達市で第2回研究会を開催した。研究協力者石田七奈子が「明治期有珠郡における寺社」を、また登別市郷土資料館学芸員平塚理子氏が「武士団の北海道移住の一事例」と題して亘理伊達家と片倉家の北海道移住との比較史に関する報告を行った。 また、2015年8月と2016年3月に現地調査を実施した。2015年8月には伊達市噴火湾文化研究所所蔵の「新稿伊達町史編纂時収集資料」の調査と撮影を、2016年3月には北海道博物館所蔵の「白石藩移住関係資料」の撮影を実施した。 さらに、2015年8月には伊達市主催の「総合博物館スタートアップ展示」に参加し、8月9日には研究代表者檜皮が「歴史を編むことと歴史展示」と題して北海道移住に関する歴史展示が抱える資料的課題についての講演を行った。また、8月11日には分担者伊達元成、及び研究協力者三野行徳を中心に「資料整理デモンストレーション『古文書史料整理のイロハ』」と題して地域社会に点在する移住関連資料の保存や整理方法についての講座を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地(北海道伊達市、及び札幌市)での調査がおおむね順調に進捗しており、共同研究の成果の蓄積も順調に進展しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
2015年度に引き続き、2016年度以降は伊達市噴火湾文化研究所・大雄寺(田村家文書・家臣団家文書)、及び北海道博物館・北海道立文書館(開拓使文書)での調査を実施する。特に田村家文書(亘理伊達家家老職)の目録を整備し、本年度の完成を目指す。 同時に、登別市郷土資料館、及び室蘭市民族資料館と協力して、明治初年北海道移住武士団の比較史的検討に向けての研究会を開催すると共に、武士団の集団移住に伴う文書の保存・継承と地域社会の記憶に関する共同研究を実施する。 さらに、共同研究の成果を広く公開すべく2017年度以降の出版を計画している。
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Causes of Carryover |
研究分担者久留島浩が研究調査に1度しか参加出来なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年度に実施する現地調査において使用する。
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Research Products
(5 results)