2016 Fiscal Year Research-status Report
近代日本におけるリンカーン受容の研究―新聞雑誌・公文書・伝記・教科書などを素材に
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15K02880
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
陶 徳民 関西大学, 文学部, 教授 (40288791)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | リンカーン / ウィリアムズ / 西進運動 / 戦争賠償金返還 / ジョセフ彦 / 松村介石 / 新渡戸稲造 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年イリノイ州スプリングフィールドにあるリンカーン大統領図書館・博物館で収集した資料を精査し、“Searching East Asia-related Archives in Springfield,Illinois”と題する論文をまとめて、発表した。 イェール大学図書館、アメリカ国立公文書館および東京大学史料編纂所などで集めて資料を編集し、ペリー提督来航時の首席通訳官、リンカーン大統領時代の北京駐在外交官を務めたウィリアムズ(Samuel Wells Willimas 、中国名は衛三畏)に関する史料集、『衛三畏在東亜』(衛三畏文集第六巻、上下2冊、合計944頁を上梓した。 ほかに、『内藤湖南漢詩酬唱墨迹輯釋:日本関西大学図書館内藤文庫藏品集』と題する資料集(共編著)と『日本における近代中国学の始まり―漢学の革新と同時代文化交渉』という研究書(単著)を出版した。 研究発表と講演として、関西大学東西学術研究所の研究例会で「『日本』物語の語り方―アイビーリーグ校とシカゴ大の事例をめぐって」の題で最近半世紀来のアメリカの日本研究を紹介し、京都霊山歴史館第七三回「維新土曜トーク」において「アーネスト・サトウがみた幕末日本」、関西大学中国文学会第十回年次大会において「近代日中文化交渉史逸話―泊園・内藤・増田三文庫の蔵書」と題する報告を行った。国内外でのほかの発表も5件あった。 なお、明星大学図書館リンカーンセンターおよび国立国会図書館などのデータベースを通じて資料収集を継続的に行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定どおり調査研究を進めている。とくに、収集した画像データと文字資料を選別活用し論文や著書をまとめたことにより、一部の研究成果をすでに学界に共有される財産として提供し、一定範囲の社会還元を実現している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度に、次のような方策で調査研究を行いたいと思う。 (1)国内のリンカーン関連資料集積所ともいえる明星大学図書館リンカーンセンターが所蔵の紙媒体の資料を一歩進んだ調査を行うこと; (2)国立国会図書館などの関連データベースをさらに精査し、入手可能なデジタル史料を網羅すること; (3)アメリカ所蔵のリンカーン関連資料を追加調査すること; (4)その上で、リンカーンと握手したことのあるジョセフ彦、松村介石などリンカーン伝記作家、教科書中のリンカーン像の変遷などのモデルケースを分析することにより、全体課題としての「近代日本におけるリンカーン受容」の概況と特質を描き出すこと。
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Causes of Carryover |
(1)東京をはじめ国内のリンカーン関連資料の複数所蔵機関に出張調査する必要がある。(2)アメリカに所蔵される関連資料に対する追加調査が必要である。(3)データベースを検索することなど研究補助の人件費が必要である。(4)情報機器の周辺機器、消耗品を購入する必要がある。(5)研究用図書を購入する必要がある。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
(1)国内出張 東京/香川 5回;(2)海外出張 アメリカ7日;(3)人件費・謝金;(4)消耗品;(5)研究用図書。
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Research Products
(14 results)