2017 Fiscal Year Annual Research Report
History of borders and border crossings in Mongolia
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15K02887
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
二木 博史 東京外国語大学, その他部局等, 名誉教授 (90219072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上村 明 東京外国語大学, 外国語学部, 研究員 (90376830)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | モンゴル史 / 越境 / 境界 / バルガ / アルタイ・オリアンハイ / 地図 / カザフ |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年8月にモンゴル・ウランバータルの科学アカデミー本部会議場で、国際モンゴル学会その他機関と本科研の共催でモンゴルの地図・地名の研究の国際会議を開催した。この会議で研究代表者は「日本の参謀本部が発行した外モンゴル地域の軍用地図」という研究発表をおこない、モンゴルにおける境界に対する日本軍の関心について分析した。また同月の第10回ウランバートル国際シンポジウムでも「モンゴル地域をえがいた外邦図ー外モンゴルを中心に」という研究発表をおこない、のちに『モンゴルと東北アジア研究』に論文として発表した。さらに10月に北京の中国人民大学で開催された国際会議「古地図学術研討会」に参加し、"On the military maps of Inner Mongolia published by the Imperial Japanese Army General Staff Office"という研究発表をおこなった。8月にはモンゴル国立中央文書館で清代の駅逓路に関わる文書を閲覧、分析し、9月にはモンゴルのトゥブ県バトスンベル郡で、100年まえに外邦図にえがかれた交通路、農地、寺院の現状を調査した。 研究分担者は、モンゴル国立文書館等で清朝期の旗の地図についての史料調査を行うとともに、北京でも資料収集を行った。8月の地図・地名研究の国際シンポジウムで「アイマグ、ホショーの地図の作成にかかわる清朝の命令、規定とモンゴル人の参加」という発表をおこない、同治3年に清朝総理衙門から出された盟と旗の測量地図を作成する命令に対し、モンゴル人がどう反応し地図が作成されたかについて明らかにした。また、モンゴル国西部の牧地利用を規定する生態条件について行った現地調査にもとづき、歴史的に構成されたカザフ人とモンゴル人の間の民族境界や行政区分の境界が現在の両者の協力関係にどう作用しているか考察した。
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